第233話
しばらく待ったが全く起きる気配がない。
本当に気絶しているようだ。
なんか最後まで騒がしい人だったな。
フルフェイスの口元に耳を近づけてみたら息はしているようだったので、とりあえずそのままにして家に戻る。
「はぁ‥アキーエさん。あんな人がどんどん来るわけ?」
「そうね。ある程度ぶっ飛ばしてたら、本当にマルコイは強かったみたいな噂がでて、少なくなるんじゃないの?でもそれで来なくなるのはあわよくばマルコイを倒して有名になりたいって思ってる人で、今日みたいな自分強さを〜みたいな人は来るかもね。」
え?
嫌なんだけど‥
でもこれからしばらくはこんな人が来るのかな‥
ちなみに鎧男は夕方あたりに気になったので見に行ったらいなくなっていた‥
「たのもうっ!」
うっ!
朝から聞き覚えのある少し高めの声が聞こえた‥
というか聞き覚えも何も昨日聞いた声のような気がする‥
玄関に出てみると‥
昨日の鎧男ともう1人軽装な男が立っていた‥
「おお!マルコイ殿!昨日の今日で申し訳ない!昨日はあまりにも情けない姿を見せてしまった。マルコイ殿の噂を信じてはおったが、まだ自分に奢りがあったようだ。何卒もう一度手合わせをお願いできぬか!」
え〜‥
一回で終わりじゃないの?
まさか同じ人がまた来るとは思わなかった‥
「ところで隣の人は?」
「おおそうであった。こちらは先程お会いしたルーベスト殿です。ルーベスト殿はアルラント王国の国防軍で軍隊長をされている強者との事。マルコイ殿と是非立ち会いをされたいとの事で、自分も是非その実力を見せてもらいたいと思いお連れしました。」
いや、連れてこんでええがな。
「いや〜俺もマルコイさんの噂を聞いて是非一度模擬戦してもらいたいなと思ってまして。アレカンドロさんがマルコイさんと模擬戦をされるって聞いて是非俺もと思って。」
ルーベストは笑顔を浮かべてるけど胡散臭い。
上手く隠しているつもりなんだろうか?
それとも隠すつもりがないのかな?
「いや〜マルコイさんってつい最近Bランクに上がったばっかりだっていうのに闘技会の決勝まで進んでるじゃないですか。まあ実際試合も見たけど運もかなり味方したみたいですけどね。だからマルコイさんと闘って、俺もその運を分けてもらいたいってのが本音ですね。」
あ、後者の人だったのか。
全力で舐められとるがな。
試合を見てた人でもロメントに勝ったのがまぐれって思う人もいるって事なんだな。
真剣に闘ったのに運とか思われてるとは、けっこうムカムカするな。
「よし、それ「マルコイは下がってて。」じゃってはい?」
俺の横にプルプルなってるアキーエがいた。
「お、おいアキーエ‥」
「ここまで思いっきり馬鹿にされるとは思わなかったわ。わたしも多少はそんな事もあるかなと思ってたけどこれだけ露骨だと我慢できないものね。」
うっ。
結構怒ってらっしゃる。
「わたしが相手してやるわ。」
「ん?なんだい?君が相手してくれるのかい?でも君と闘っても俺が得るものかないからまた今度にしてくれない?」
おい!
やめろ!
辺り一帯が焼け野原になるぞっ!
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