第232話
「アキーエさんや。1回目とはどう言う事かね?」
「え?これだけ有名になったんだから、これからこんな人がたくさん来るって話よ。」
え〜‥
マジかぁ‥
「我が傭兵団は最強無敗。そして個人での武も最強の者達が揃っておる。それを証明するためにも是非Sランクと同等と言われるマルコイ殿の胸を借りたい所存である!」
おじさんうるさいなぁ‥
妙に甲高い声だから余計に耳がキンキンする‥
「いきなり来て模擬戦だって言われても‥」
「そこを何とかお願い出来ないか!迷惑だとはわかっておるが、何としてもお願いしたいっ!」
はぁ‥
しかしアキーエが言った通りここで闘わなくて色々言われるのもなぁ。
「わかりました。それでは少し待っててください。準備をしてきますから。」
「おお!かたじけない!」
家に戻り準備を整えて玄関先に戻る。
玄関先で闘うのもと思い、庭に移動した。
土地が広いから、模擬戦をしても家に被害は出ないだろう。
「それじゃ始めましょう。」
「承知した。それでは参る!」
暑苦しい人だが、フルアーマーで馬鹿デカい戦斧を振り回していた。
膂力は高いし、決して油断していい相手ではないだろう。
俺は手に持つ刃を潰した剣を構えて様子を窺う。
ダマスカス剣を使ってもよかったが、模擬戦を希望してきた人をスパスパ斬ったら問題になりそうだ。
なんかその方が今後挑んでくる人がいなくなるような気がするとか魔族的な考えが浮かんでくるがやめておこう。
それでは参るっ!とか言ってたけどその場からアレカンなんとかさん‥鎧男は動こうとしない。
後の先かな?
それでは様子見で此方から動くとしよう。
俺はエンチャント:風を使い鎧男に疾走する。
鎧男は動きが見えているようで、俺の動線に戦斧を横振りしてきた。
俺は戦斧を剣で受け止め、反動で後ろに飛んで下がる。
かなり後ろに飛ばされた。
俺は重い方ではないが、それでも軽々と飛ばされるとは思っていなかった。
再度鎧男に向かって駆ける。
今度は走っている途中でエンチャント:暴風を使う。
鎧男は急激な速度の変化についてこれず戦斧を振るタイミングを逃す。
慌てて上段から振り下ろすが、そこにはすでに俺はいない。
背後に回り戦斧を振り下ろした事で隙だらけになった鎧男の胴にエンチャント:火を使った剣で横殴りにする。
フルアーマーを着ているから斬撃には強いだろうが
、今の俺は刃を潰した剣を棍棒のように使い殴ったからダメージは通っただろう。
鎧男は勢いよく転がるように飛んでいった。
そして止まったと思ったら何事もなかったように立ち上がる。
「ふっふっふ‥やるではないかマルコイ殿!しかしまだまだこれからだっ!いくぞっ!」
あれだけ派手に転がったんだ、かなりのダメージを受けているはずだ‥
そのまま気絶すると思っていたが‥
まさか無傷なのか?
そして鎧男はこちらに駆け出した。
と思ったらそのまま盛大にツッコけた‥
そしてそのまま動こうとしない‥
とりあえずうつ伏せだったので仰向けに戻してみたが起き上がる気配がない。
顔の前で手を振るが一切反応がない。
ま、まさか気絶してるのか‥?
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