第222話

「そういえばお前はどうやってその眼を隠してたんだ?」


俺がガルヘアに問いかける。


答えてくれないかもしれないが、ぜひこれは教えてほしい。

魔族の特徴である眼を隠されると発見できないし、最悪こちら側の懐まで入られてしまう可能性がある。


ガルヘアも今回の闘技会で結果を出して、士官すれば王様の近くに入り込む事ができたはずだしな。


「答えると思うかぁ?」


ですよね。


「じゃあ予想の答え合わせに付き合ってくれ。」


「はっはー!いいぜ、多少なら答えてやろう。しかしお前の次にSランクのリュストゥングも相手する予定だからなるべく早くしろよぉ!」


ありがたい。

押さえつけていたものを解放したから気分が高揚しているのか?


「お前が魔族の力を解放したのは、お前が持っていた三角形の何かを壊したからだよな。あれは魔道具か何かなのか?そして魔王からもらったものなのか?」


「そうだ!あの魔道具があったから俺は魔力を押さえつけられたんだ!貴重な品物らしい!だから俺はギリギリまで‥ああすいません。貴方様からもらったものを壊してしまいました‥はい全て亡き者にしてみせます‥」


なんだ?

混乱しているのか?


「ひゃはー!お前を殺す!あのお方の為に全てを殺す!」


突然ガルヘアは狂ったように怒り出し、自分の前に両手を広げて魔力を溜める。


ガルヘアは無数の魔力の塊を俺たちに打ち出してきた。


避けて後ろに任せるしかないか?


「任せて。」


アキーエが俺と無数の魔法の間に立つ。


アキーエは構えを取ると迫ってきた魔法に対して化勁を使い軌道を変えて、その全てを後方の地面に当たるようにしている。


すご!

そんな事できるの?

よく見たらアキーエの手が淡く光っている。

気功か何かで手を覆って魔力を受け流しているのか?

そうだよな、そうじゃないと触った瞬間に爆発するよな。


「はは?なんだお前は?お前も危険だな。抹殺対象だ!」


ガルヘアはそう言い放ち魔法を使いながら突進して来る。


俺はアキーエの横を通りガルヘアの魔法を掻い潜って斬りつける。


「残念だな。その前に俺の相手をしてもらおうか!」


ガルヘアは腕を剣の軌道に持ってくる。


この状態でもやはり能力値の変動はできるのか!


剣が弾かれるが予想はしていたので剣が弾かれる勢いを利用してガルヘアを蹴り上げる。


蹴りはガルヘアに当たったが、先程までとは違いダメージを与えられたような感じはしない。


魔族に戻った事で元々の防御力も跳ね上がってるようだ。


「そうだよな!大丈夫だ。お前の相手もちゃんとしてやるよ!ひゃは!」


ガルヘアは俺に追撃を仕掛けようと俺に向かい駆け出そうとするがその目の前に炎の槍が突き刺さり破裂する。


「あんたの相手はわたしじゃなかったのかしら?無視されちゃ困るわね。」


そうだ。

うちのデストロイヤーを忘れてもらっては困るぜ。

アキーエがこっちを睨んでるぜ。





だがやはり手強いな。


このまま時間を稼いでミミウやリュストゥングさんを待つのも手だが、このままだといつまで持つかわからないな‥

俺が持っている対魔族スキルを使うしかないか‥

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