第219話

「なんだと?ふんっ!それがどうした!殺す!」


ガルヘアはよほど頭に血が上ってるのか、自分が闘いを優位に運んでいたタネがバレたかもしれないのに構わず突っ込んできた。


相変わらず話を聞かないヤツだな‥

俺の考えは正解とは思うが、答え合わせをさせろっての。


ガルヘアは突然スピードを上げる。

今までとは別次元の目で追うのがやっとな程のスピードだ。


しかし俺の予想が間違っていなければ‥


ガルヘアは俺の後ろに回り込む。

そして一瞬スピードが緩んだ後に攻撃を仕掛けてきた。


やはりな‥


俺はそのスピードが緩んだ一瞬に向き直りガルヘアが放ってきた拳を身体を捻り躱す。

そして躱すと同時にガルヘアに蹴りを放ち距離をとる。


今ので確信できた。


「そんなにがっつくなよ。答え合わせしてくれないなら俺が勝手に予想を話させてもらうぜ。」






「おそらくお前のスキルは自分の中の能力値を自由に変更する事ができるんじゃないのか?」


ガルヘアが俺を見る表情は変わらない‥




「お前の能力値の総数を100とすると、それを防御力に100回すと攻撃力が0になるといったところじゃないのか?しかもかなり細かく設定できるみたいだな。腕の力に回して馬鹿みたいな攻撃力を出したり、さっきみたいに脚の力に回してスピードをあげたり。それに俺の剣撃を弾いていたのは剣に対する防御力、剣に対する耐性と言った方が正しいのか?それを上げる事で攻撃を弾く程の防御力を得たのだろう?」


レアなスキルだよな。

しかし‥


「そのかわり他の耐性が下がり俺の当たっただけのような蹴りでダメージを受けた。まあそれでも凄いスキルだと思うが‥」

  


ミミウの攻撃の時も攻撃が終わったから反撃しようとして切り替えようとしたんだろ?



「だがこれって切り替える時に一瞬だが、時間がかかってるな?」


ガルヘアは何も言わず俺を睨みつけている。


「今回は100点か?」


「うるせー!100だろうが何だろうが、ここで死ぬお前には関係ないつってんだろうが!」


ガルヘアは猛然とこちらに突進してくる。

先程よりも遅いが、いつもよりは早いな。

もしかして30と70とか細かな調整もできるのか?


しかしタネがバレてしまえば問題はない。


俺は突っ込んでくるガルヘアに対して駆け出す。

ガルヘアは拳を握りしめて攻撃してくる。

怒りのためか雑になってるな。


でもお前と闘いだしてかなり時間がたった。

俺の準備は終わっている。


『予測変換』


約1秒先のガルヘアの攻撃が見える。

ガルヘアの連武は俺には届かない。


右の大振りの拳を躱した後にガルヘアを斬りつける。


『予測変換』に攻撃が弾かれる未来が見える。


凄いな、こんな使い方をするとは。

てことは今の放ってる拳は攻撃力がのってないって事か。


しかし残念だな。

相手が悪い。


俺は剣の攻撃をガルヘアから逸らし同時に腹部に膝を放った。


膝蹴りをまともに喰らい膝をつくガルヘア。


それじゃそろそろ終わりにしようか。



頭痛いし‥

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る