第218話
俺が迷っているとガルヘアが攻撃を仕掛けてきた。
ガルヘアは腕を振り上げ、駆け寄るスピードに乗せて拳を放ってきた。
反撃すれば弾かれ、避ければ連撃をくらってしまう。
俺はガルヘアの腕に攻撃して弾かれる反動で距離を取ろうとする。
剣を振り下ろし返ってくるであろう反動に備える。
しかし‥
ガルヘアはそれを見越してたのか、腕を引き剣を避ける。
そして体勢を崩した俺にガルヘアは追撃してくる。
体幹を後ろに移動させていた俺はガルヘアに蹴りを入れて後方に下がる。
危なかった!
もう少し遅かったり、蹴りを放ってなかったら追撃を避けれなかったかもしれない‥
ガルヘアは蹴りがいいところに入ったのか多少なりともダメージを受けたようで、追撃をやめてこちらを睨んでいる。
しかし状況は変わらない。
なんとか追撃は逃れたが、次も苦し紛れの蹴りでどうにかできるとは思えない‥
どうする‥‥
いくら蹴りでダメージを与えたからと言っても俺の体術はたかが知れている。
何かないものか‥‥
んあ?
苦し紛れの蹴りでダメージを受けたのか?
剣を弾く防御力を持つヤツがさっきの蹴りでダメージを受ける?
よっぽど急所に入らないとダメージを受けないような距離を保つために放った蹴りでか?
どういう事だ?
確かめてみる必要があるな‥
俺はガルヘアに向かい駆け出す。
剣を肩に担ぎ、ガルヘアの前まで来ると上段から構えを水平にして剣を右から左に横薙ぎに振るう。
ガルヘアは俺が構えを変えた事で剣の攻撃を疑ってないようで、攻撃を弾いた後に反撃するべく中段に拳を構えた。
俺は剣を左手のみで持ち、ガルヘアに当たらないように振るうと勢いのついた右の拳をガルヘアの顔にぶち込む。
「がっ!」
ガルヘアは俺の拳をモロにもらいたたらを踏む。
通じた?
やはり素手での攻撃が通じるってことなのか?
いや、ミミウの時は素手じゃなかったはず。
なら別のカラクリがあるって事だな‥
もしかして‥
俺は確かめるべくガルヘアに再度攻撃をしかける。
今度は剣を片手に持ったままガルヘアに中段の蹴りを放つ。
ガルヘアは俺が蹴りを放ってきた事に多少の驚きは見せたが、蹴りを弾き返すためか腕に力を入れた様子で待ち構えている。
俺は中段の蹴りを変化させ、足を地面につけると身体を捻った勢いで持っていた剣をガルヘアに向けて
片手で振り下ろす。
ガルヘアはすぐに反応して後退するがもう遅い。
俺の剣はガルヘアの肌を斬り裂いた‥
ガルヘアは出血している箇所を押さえているが、ダメージ自体はほとんどないだろう。
多少の出血はあるが、おそらく皮一枚斬れたといったところか。
ただ今はダメージ云々ではない。
ガルヘアに傷をつけることができたのが重要だ。
「き、きさま!俺様に傷をつけやがって!絶対に殺す!」
「そりゃ無理だ。もうお前のスキルの秘密がわかったからな。」
俺は確信を持ってそう答えた。
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