第217話

エンチャント:活水で急速に身体を治したのはいいが、身体が持つ回復能力を使用して無理矢理回復させたのだ、体力と魔力をごっそり持っていかれた。


エンチャント:土の上位属性であるエンチャント:土塊を上回る攻撃力を持つとは、やはりこいつの攻撃は侮れない。


しかしなぜ俺の攻撃は弾かれたんだ?

エンチャント:火を使用していた攻撃だ。

それほどガルヘアの身体が硬かったのか?

それじゃ何故最初の攻撃を躱したのか?

その辺に謎がありそうだな‥


ガルヘアが再度攻撃を仕掛けに来る。

まだ少し足が重いのでその場で待ち構える。


顔への拳を横に避ける。

その場でガルヘアは一回転して回し蹴りを放ってくる。

重い足を無理矢理動かして後ろ下がって躱す。

ガルヘアは今度は逆の足を使い前蹴りを放ってくる。


ちっ!

体術もかなりやる。

流石に無手で戦ってるだけあって攻撃に隙がない。

それに下手な攻撃をしかけては弾かれて先程の二の舞になってしまう‥


左の大振りの拳を首を後ろに逸らして躱す。

するとガルヘアは背中を向けた後に逆の腕で裏拳を放ってきた。


躱せないと判断してエンチャント:土塊を使い腕を交差して攻撃を防ぐ。


巨大な岩をぶつけられたような衝撃が身体を襲う。

かなり吹き飛ばされた‥


手は‥

動く。


折れたりはしてないようだな。


「どうした?威勢のいい事言ってやがったがその程度か?それならいつまでも粘らずにさっさと死ねよ!はっはー!」


くそ、好き勝手言いやがって。


しかしエンチャント:雷を使うにしてもリスクが高い。


ガルヘアの硬質化がどれほどの物かわからない。

下手すれば攻撃が通じなくて魔力切れなんて起こしてしまったら目も当てられない。


俺のエンチャント:雷を使った攻撃力がミミウのパイルバッシュを超えるものであればいいが一瞬の攻撃力はミミウの方が高そうだ。


もどかしいが硬質化がどの程度の物かまだ少しこのまま様子見するしかない。


先程の攻撃のダメージをエンチャント:水を使い癒していく。

足のダメージもなくなったので、今度はこちらから攻撃する。


エンチャント:風の上位属性であるエンチャント:暴風を使いガルヘアに迫る。


ガルヘアの意識外からの攻撃であればどうだろうか?

ガルヘアの目前に迫り上段から剣を振るう。

その剣を途中で止めて、再度高速で背後に回る。

背後に回る際にガルヘアから見えないよう身体に剣を隠し、脇から剣を突き出すように突きを放つ。


しかし剣を持つ手に返ってきた感触は硬い岩に剣を突き刺したような感触であった。


前方に転がりガルヘアから距離をとる。


ガルヘアの目に写る範囲で瞬間的に硬化するわけではなさそうだ‥


どうする?

エンチャント:爆炎を使って力任せに斬りつけるか?

しかしもし攻撃が通らなかった場合、全力の攻撃を弾かれた時にできる隙をガルヘアが見逃すとは思えない。


闘い始めに受けたダメージをもう一度喰らえば、傷は回復しても体力がもたないだろう。

綱渡りの状況を打開する何かを見つけなければ‥

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