第211話
「マルコイちゃん。闘技会は特に延長の予定はないけどいいかしら?他の参加者達も問題無いみたいなの。」
「俺は別に構わないよ。リュストゥングのおっさん以外はオーガ討伐に参加してたんだろ?」
アイツは参加はしたのかわからないけど、あの場にはいたしな。
「そうね。リュストゥングについては当日までに戻ってなかったら失格になるだけだから問題ないわ。後の2人は問題ないって。」
「わかった。俺も特に問題ないよ。怪我もないし当日までには体調も戻ってると思うから。」
「よかった。それじゃ闘技会の方には私から伝えておくわね。それと今回の緊急依頼だけど、マルコイちゃん達にはオーガキング討伐した事で国からも何か報酬が出るそうだから、期待して待っててね。」
なんと?
この間家を貰ったばっかりなのにまた何か貰えるのか?
今度こそお金を希望します。
お小遣いをください。
「それじゃ最初に聞いていた日に闘技会会場に行くよ。」
「よろしくね。あとギルドからのオーガ討伐の報酬は後日取りに来て頂戴。参加した人が多くて国に幾ら必要か報告してからになるから。」
「わかった。あと今回のオーガ討伐で気になった事がいくつかあるから報告したいんだが。」
「‥‥マルコイちゃんの顔からすると少し大事な話みたいね。それじゃ応接室で話をしましょう。」
俺たちは応接室でイザベラに俺が感じた事を踏まえて報告した。
「なるほどね。もともとオーガが最近頻回に発見されていたんだけど、群れをなす程になったのはオーガキングが出現したからだとギルドでも予想したわ。でもマルコイちゃんを狙ったのであれば、確実に魔族が絡んでいるわね。」
「しかし俺は討伐中はオーガキングと相対するまで目立ってなかったぞ。」
「多分闘技会で残っている人を狙ったんじゃないかしら?ガルヘアちゃんは報告受けてないけどシュッツガウトちゃんもかなりのオーガに狙われたそうよ。それに闘技会の情報なんてこの国にいなくてもわかるんだから、勝ち残ってる人を脅威と思って狙ったとしてもおかしくないわ。」
「だとしたらまた襲ってくるのか?」
「そうね。今回の襲撃は闘技会で目立ってたロレッタスを狙い強者を亡き者にするためだったのかもしれないわね。だからすぐに次が襲ってくるとは考えにくいけど、その件も王様に報告しておくわ。」
「すまない助かる。しかしイザベラさんは直接王様に報告するんだな。さすがギルドマスターだ。」
俺はニヤニヤしながらイザベラに言う。
「はぁ‥そういえばマルコイちゃんにはバレてたわね。私がギルドマスターを隠してるのは本当に大した事じゃないのよ。私が現場に出て、直接冒険者の人達を見たかったのと、できれば直接助言したりして亡くなる人を少しでも減らしたかったのよ。」
「なるほどな。でもそれは受付じゃないとできないのか?」
「だってギルドマスターが受付に座ってたら、いつもの様子で冒険者は来ないじゃない。だから普段の様子を見たくてそうしてるの。」
確かにな。
ギルドマスターでゴリマッチョ‥いやウサマッチョがカウンターにいたら緊張するだろうしな‥
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます