第204話
スピアを水平に構えたミミウはそのスピアをオーガジェネラルに向かい突き出す。
お互いかなりの距離があったが、3メートルを超えるスピアだ。
それをショートスピア程度の軽さで振るうのだ。
スピアは一瞬でオーガジェネラルの目前まで迫る。
オーガジェネラルは両手を交差して自分を守る。
肌の硬質化には自信があるのだろうが、身の危険を感じたのだろう。
ミミウのスピアはオーガジェネラルに当たったが、その身を貫くまでには至らなかった。
ほっとした表情を浮かべたように見えたオーガジェネラルに対して、ミミウは連続で刺突をする。
肌を貫く事はないが、特大サイズのスピアの連続攻撃だ。
オーガジェネラルの身体は衝撃でどんどん後ろに下がっていく。
オーガジェネラルの後退する先には大きな岩がある。
ついにオーガジェネラルの身体は大きな岩の目の前まで追い詰められた。
ミミウのスピアは構う事なくオーガジェネラルの身体を攻撃する。
オーガジェネラルの身体は大きな岩に挟まれた状態で刺突を受け続ける。
徐々にオーガジェネラルの身体は岩にめり込んでいく。
最初こそ防御したり反撃しようと試みていたオーガジェネラルだが、途中から徐々に動かなくなっていた。
オーガジェネラルの身体がほぼ岩に埋まってしまった頃にミミウの攻撃が止む。
オーガジェネラルが埋まっている岩から出てこようとする気配はない‥
すると大きな音を立てて岩にヒビが入り、オーガジェネラルが埋まっている岩が2つに割れて崩れた。
中に埋まっていたオーガジェネラルの姿があらわになる。
確かにミミウの攻撃は硬質化したオーガジェネラルの皮膚を貫く事は出来なかった。
しかし岩から見えるオーガジェネラルは腕や足、首などの関節部位があらぬ方向に曲がっている。
そりゃそうだよな。
あれだけの衝撃が連続で長時間襲ってきたんだ。
皮膚は硬くても身体の中身が耐えれるはずがない‥
てかなんですかそれ?
めちゃくちゃ力押しなんだけど‥
周りで見ている人たちも少し後退りしている‥
あの模擬戦モンスターでさえ、顔がひくついて腰がひけている。
ミミウはオーガジェネラルの様子を窺っていたが、死んでいるのを確認してから精霊魔法をとく。
「ふぅ〜。わーいマルコイさんやったですぅ!」
ミミウが笑顔でこっちに向かってくる。
尻尾があったら間違いなく千切れんほどに振っているような表情で。
「よ、よ〜し。よくやったぞミミウ。」
自分でもわかっている。
ミミウの頭をよしよししているが、俺の腰は思いっきりひけている。
「オーガジェネラルは1匹なのかな?だとしたは後はオーガキングだけだけど。」
サブマスターの方を確認する。
あ、サブマスターもこっちを見て呆然としている。
うん、わからなくはない。
俺が見ているのに気づき、サブマスターは我に帰る。
「オ、オーガジェネラルは討伐された!確認できる範囲ではオーガジェネラルは他にはいないようだ!あとの脅威はオーガキングとオーガジェネラル以外の上位個体数体だ!」
後はオーガキングの討伐だ。
「なあシクー‥あれ勝てる気がしないんだが‥」
「そうね‥私とアンタが組んでも敵いそうにないわね‥」
オーガキングを探しに走り出したマルコイ達を見ながらバラックス達がそう呟いた。
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