第202話
「よかった。間に合ったですぅ。」
ミミウはそう言いながらシクーを見る。
自分に傷がない事に気づいて自分より小さいミミウを見る。
「すまない。助かったありがとう。」
しばらくミミウを見てぼーっとしていたシクーだったが、現在の状況を思い出し、礼を言ってミミウの後ろから離れオーガジェネラルから距離をとる。
凄いなミミウは。
あんなに威力がありそうなオーガジェネラルの攻撃を受け止めて、まったく後ろに下がっていない。
あんな小さな身体でオーガジェネラルに当たり負けしないなんて、そりゃシクーさんもびっくりするわな。
「お嬢ちゃんありがとな。よしマルコイ!こいつを倒すのを手伝ってくれねーか?」
「わかり‥」
「マルコイさん。ちょっとだけ私が戦ってもいいですか?」
意味がわからずポカンとするバラックスさん。
「わかった。無理するなよ。討伐依頼できているから俺たちだけの問題じゃないんだ。無理そうと思ったら俺の判断ですぐに加勢するからな。」
バラックスさんが驚いた表情でこちらを見ている。
まあその反応が普通だと思うんだけどね。
さっきバラックスさんたちと戦ってたのを見てたけどオーガジェネラルはミミウ1人で戦えるレベルと思われた。
それに多分オーガジェネラルの攻撃はミミウに通らないだろう。
それだけの盾士としての技量をミミウは身につけているからな。
それに新しい力を試してみたいんだろう。
もちろん何かあればすぐに加勢するつもりだけど。
「おいおいマルコイ大丈夫なのか?あんなお嬢ちゃん1人でオーガジェネラルと戦わせるなんて。流石な無茶がありすぎだろ?」
「多分大丈夫と思いますよ。闘技会で見てませんでした?ああ見えてミミウはAランクの冒険者を倒してますからね。それに何かあったらすぐに加勢に入りますよ。」
「なんだと?俺は基本闘いを面白くするために他の試合とかは見ないようにしてるんだが、あのお嬢ちゃんそんなに強いのか?」
あ、やべ。
バラックスさんのスイッチが入ったかも。
でもこれからミミウが戦うところをみたら、どっちにしろ模擬戦モンスターのスイッチは入ったかもしれないしな。
「グオォォォォォォッ!」
オーガジェネラルが雄叫びをあげる。
自分よりも小さな者が相手する事に対しての怒りか、自分の攻撃が止められた事に対する怒りなのか。
オーガジェネラルは雄叫びをあげた後、排除する優先順位をミミウに切り替えたようだ。
「ノームさんお願いしますぅ。『召喚重装:ノーム』」
ミミウが精霊魔法を使うとノームが現れ、ミミウのタワーシールドの中に入っていった。
ミミウのタワーシールドに変化が生じる。
岩のようなゴツゴツとした起伏ができたと思ったらすぐに圧縮されたように平面化してブロックのようになった。
今まで持っていたタワーシールドの1.5倍ほどはある。
あれで前が見えるのだろうかと思ったが、ミミウは遠視があるので問題ないんだそうだ。
ミミウのシールドの突然の変化にオーガジェネラルとバラックスさんが狼狽えている。
バラックスさんはなぜ?
あれ?
そういえばさっきノームって2匹いなかったか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます