第198話
オーガたちはスピードを落とす事なくそのまま掘に突っ込んだ。
いくらオーガの皮膚が硬いとはいえ、関節まで硬いとは思えない。
おそらく先頭にいたオーガはすでに事切れているだろう。
ミミウの精霊魔法で作られた掘によってオーガの突進を止める事ができた。
しかしあくまで自分たちの前が止まっただけで騎士団や堀の範囲外の冒険者たちはオーガの突進をモロに受けていた。
騎士団はフルプレートを装備しているのでそこまでの被害はないようだが、冒険者の方にはやはり被害が出ている。
盾が飛ばされてオーガの体当たりをくらい飛ばされた人、衝撃の大きさで身体が動かずその場で蹲っている人もいる。
モンスターがそんな恰好の餌食を見逃す筈はなく蹂躙を始める。
盾士の後ろにいた剣士などの前衛が体勢を整えて迎え撃つが、うまく連携が取れず押されている。
あのままでは不味いな。
俺が応援に行こうとした時、何匹かのオーガが顔を抑えて呻きだす。
そして黒い紐状の影がその付近の別のオーガに向かうと数匹のオーガの目から血が吹き出し、オーガたちが顔を抑える。
「イケメン君。こっちの応援は無用よ。私が受け持つわ。」
声の主はアキーエと闘技会で闘った、ちょっとエッチな鞭使いのお姉さんだった。
確かマガーレットさんだったかな?
「ありがとう。よろしく頼む。」
「別にいいわよ。それよりこの戦いが終わって無事だったらプライベートであわなっうげぇ!」
マガーレットさんの近くで炎球が破裂した‥
「あらごめんなさい。オーガが襲ってきてたから危ないと思って。ちょっと当たっちゃった?」
マガーレットさんが少し焦げてる‥
「またお前か!お前なんて事すんだ!ちょっとじゃねえよ!だいぶ当たっただろうが!」
おう。
口調が‥
こっちが素なのかな?
「ちっ、残念まだ元気みたいね。」
「お、お前!なんだ残念って!クソが!後で覚えとけよ!」
襲ってきたオーガの目を鞭で叩きながら離れていくマガーレットさん。
「イケメン君!また後で会おぐおっ!」
またマガーレットさんの近くで炎球が破裂した‥
あの人よくあれで死なないな。
なんだろギリギリで避けたりしてんのかな‥
「お ぼ え と け〜」
なんか凄い捨て台詞吐いて行ったな‥
マガーレットさんの活躍もあり押されていた箇所も持ち直したようだ。
俺たちも堀に落ちたオーガを踏みつけながら進んでくるオーガや、堀から這い出てきたオーガを相手する。
以前相手したオーガはもっとモンスターながら自分は強者だみたいな余裕を感じられたんだが、今回のオーガたちにはそれが感じられない。
何か強制的に行動させられているような感じがする‥
俺は迫ってくるオーガを倒しながらそんな気がしていた。
オーガが振るう拳を避けて、振り切った腕を斬る。
そしてすぐさま返す剣で首を落とす。
俺が何匹目かのオーガを倒した頃に冒険者たちの中で悲鳴が上がり出した。
ついにブルーオーガなどの上位個体たちが現れたようだ‥
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