第189話

「アキーエすまないがスキルを確認してくれ。」


「わかったわ。あっ!」


アキーエ

冒険者ランクB

スキル【判別Lv.6】【魔闘士Lv.1】


なんて事だ。

模倣スキルがごっそりなくなって元々のスキル【属性魔法:爆炎】までなくなっている。

譲与結合をしたのは軽率だったか‥


「ちょっと待ってマルコイ!もらったスキルにレベルがついてるんだけどっ!?」


「はい?」


アキーエのギルドカードを確認する。

確かに譲与結合でアキーエに渡したスキル【魔闘士】にはレベルが表示されている。


まさか譲渡したスキルが統合したって事か?

それで模倣スキルではなく歴としたスキルになったって事か!


しかしアキーエが元々持っていたスキル【属性魔法:爆炎】がなくなってしまった。

今まで主に使用していたスキルなのでこれはアキーエに申し訳ない‥


「炎球!」


俺が後悔に苛まれていたらアキーエの声が聞こえた。


声がした方を見ると‥

アキーエが炎の球を撃っていた‥


地下室の壁にあたり燃え盛る‥

そして此方にまで炎が襲いかかってきた。


「『堅牢!』」


俺はすぐに堅牢を使用して炎を遮る。


なにやってんすか?

もう少しでみんなでこんがりなるところだったんですけど?


それに地下室なんて密室で火を使うなんて死ぬんですけど!


俺はすぐに地下室から上に上がる扉を開けて空気を入れる。


これ【異世界の知識】で火の事を調べたからわかったけど、普通ならヤバかった。


あまりに唐突だったのでアキーエを怒ってやろうとアキーエの元に行く。


「マルコイ!よかった。わたし魔法がまだ使えるみたい!スキル【属性魔法:爆炎】はなくなったけど、スキル【魔闘士】として魔法が使えたわ。」


心底ホッとした表情を見せるアキーエ。

本当はガツンと言ってやろうと思ったけど、そんな表情を見せられたらガツンとは言えないな。


「よかったなアキーエ。俺もそこは心配だったから本当によかった。でも地下でいきなり火魔法を使うのはやめとこうな‥」


「うんわかった。ごめんね少し動揺しちゃってたみたい。今まで使っていた魔法より少し弱くなってしまってるけど、レベルが上がれば大丈夫と思うわ。それに気功と魔力の融合も今までよりスムーズにできるわ。わたしが強くなるために感じていた壁が急になくなったみたいよ!」


かなり興奮してるな。

でもよかった。

譲与結合は失敗だったかと思っていたが、こんな結果になるとはな。

本当によかった。




次はミミウだ。

アキーエにスキル【上肢筋力上昇】を譲渡した時に模倣スキルの譲与結合は反応した。

なら、ロメントのスキルを模倣した時に1度条件を満たしたのはアキーエじゃなくミミウだった事になるだろう。


俺はミミウに譲与結合しようとする。

しかしミミウの目が俺の頭の方に向いている。


「どうかしたか?」


するとミミウは言った。


「マルコイさんの頭がこんがりなってますぅ。」


俺は頭を触る。

触感でわかる。

俺の頭は見事なアフロになっているようだ‥


アキーエめ、後で絶対着替えてる時に部屋に入ってやる。



ちなみにアフロはエンチャント:水で治りました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る