第170話
翌日闘技会の会場に着くとすでにロメントが待っていた。
「やあ。今日は楽しみで夜なかなか寝つけなかったよ。いい部屋を準備しているから楽しみにしていてくれよ。」
くっそ〜、今日も変態全開だな。
こいつとは闘いたくなかったという気持ちと、世界平和というか世界の男のためにというか特にリュストゥングのためにも倒す必要があるという気持ちがせめぎ合っている。
「勝つつもりなのはいいけど、そんな事は実際に勝ってから言ってくれ。」
「はは。そんな気が強いところも好みさ。」
くぅ〜、チキンな肌が凄まじい。
「マルコイ大丈夫なの?負けるつもりはないと思うけど、もしも負けちゃったら‥?」
俺はアキーエの側に行き小声で伝える。
「もちろん負けるつもりはないし、世界の男の為にもあいつを倒すつもりだ。しかし万が一負けてしまった時は‥」
「負けた時は?」
「俺を抱えて全力でこの街から逃げてくれ。」
「はぁ‥何決めた感じで言ってるのよ。でもわかったわ、皆んなで一目散に逃げるわ。」
「ありがとう。」
よし、これでもしもの時も大丈夫だ。
もちろん負けるつもりは全くないが、相手はSランクだ。
念の為にアキーエに渡している、俺を引っ張る魔道具も借りておくかな‥
「それでは只今より第二回戦の最終試合を行う!ロメントとマルコイは場内に!」
ついに闘いが始まる。
Sランクは人外レベルの強さだって事はわかっている。
しかし‥
なぜだろうな。
負ける気はしない。
俺は強くなっている。
昨日よりも今日。
1日1日強くなっているのがわかる。
闘技会本戦が始まる前にロメントを見た時には勝てるかどうかわからないって思いだったけど、今なら勝てると思える。
相手はSランク。
相手にとって不足はない。
俺の全力を持って相手させてもらうぜ。
「それではSランク冒険者ロメント対Bランク冒険者マルコイの闘いを始める。それでは始めっ!」
俺のSランク超えの闘いが今始まった。
始めの合図があったと同時にロメントは精霊魔法を使う。
「『水の精霊よ。僕に力を貸してくれ。水蛇顕現!』部屋の予約時間があるから早めに終わらせようね。それじゃ行くよ。」
ロメントが相変わらず気持ち悪い事をいいながら向かってくる。
水蛇はロメントの身体の周りを漂っており此方の様子を窺っているように見える。
腰から細剣を取り出したロメントが攻撃に移る。
「なるべく痛くないようにするから我慢してね。」
そう言ってロメントは高速の突きを放った。
片手剣や大剣に比べて軽いのはあるだろうが、恐ろしい程のスピードだ。
ほとんど同時に3本以上の剣が迫ってきた。
しかし‥
俺はエンチャント:火を使いロメントの細剣を下から剣で跳ね上げる。
甲高い金属の音がしてロメントは持っている腕ごと上に跳ね上がった。
3本同時に迫ってくる剣?
それなら3本まとめて跳ね返してやる。
「今までの相手と一緒にするなよ。来るなら全力でこい。今ので全力だって言うのなら一瞬で終わらせてやるぞ。」
さてSランク退治してやるか!
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