第164話
「大丈夫だ。アキーエは負けてしまったけど、Sランク相手にあれだけ闘う事ができたんだ。同じくらい強いミミウならそうそう負けはしないよ。自信持って。それに俺がアキーエに過保護すぎると言われたくらい準備したんだ。安心して全力で闘ってこい。そして勝って腹一杯ご飯を食べよう。キリーエにお願いして新作の食べ放題しようぜ。」
「ふふ。マルコイさんありがとうですぅ。勝つにしろ負けるにしろ、後悔しないように全力で闘ってくるですぅ。」
いつもより大人びた表情で笑うミミウ。
それがとても魅力的だった。
ミミウの頭をワシワシとする。
「う〜何するんですかぁ‥」
「大丈夫だ。何かあっても俺が守ってやる。」
その為の準備はしてきた。
「はい。マルコイさんがいれば百人力ですぅ!」
緊張もほぐれたみたいだ。
「マルコイさんとお話ししたら少し落ち着きました。ゆっくり寝れそうですぅ。それじゃ何か食べてから寝ますね。」
そう言ってミミウは宿に戻っていった。
よかったいつものミミウだな。
でもさっきご飯食べてたよな?
明日の朝ごはん分は食材残ってるといいなぁ‥
翌朝、朝ごはんに露店で軽食を食べてから闘技会会場に向かった。
魔道具のチェックもあったので早めに準備していたから時間的にも少し余裕があった。
「ミミウトイレは大丈夫?朝ごはん食べた後だけどお腹痛くない?もう少し時間あると思うから行ってきていいよ。もし始まったら私が戻るまで開始時を待ってもらうから行ってきていいよ!」
アキーエお母さんも今日は一緒に来ており平常運転だ。
「そしたらうちは観客席に行くよ。ミミウちゃん頑張ってな。勝ったらミミウちゃんの食べたい物何でも用意するからね!」
何でもはヤバいぞ。
店の食材なくなるかもしれないぞキリーエ。
「ミミウ頑張れ。でも無理しなくていいからな。」
「わかってるですぅ。ちゃんとマルコイさんから貰った魔道具も持ってるから安心してください。でも勝つから心配しなくていいですよ。」
昨日と違い緊張した感じがないな。
よかった。
「それではガルヘア、ミミウの両名は場内へ。」
時間となった。
あとはミミウの勝利を祈るだけだ。
「それじゃ頑張ってくるですぅ!」
ミミウはにっこりと笑って場内に入る。
「ミミウ勝てるよね?」
アキーエが不安そうに聞いてくる。
「ミミウが強いのは知ってるだろ?大丈夫だ。」
中央に歩いていくミミウを見ながら自分に言い聞かせるようにアキーエに告げる。
反対側からガルヘアが歩いてきている。
闘える事が嬉しいのか、顔に笑みが張り付いている。
今日も何も装備品はつけずにやってきている。
相変わらず不気味なやつだ。
でもいつまでその笑顔でいれるかな。
うちのミミウの強さに驚けばいい。
「それではBランク冒険者のガルヘア対同じくBランク冒険者ミミウの闘いを始める。2人とも準備はいいか?」
「それでは始めっ!」
ミミウとガルヘアの闘いがついに始まった‥
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