スキルを模倣しまくって最強無敵！魔王？勇者？どっからでもかかってこいやぁー！（旧: 模倣スキルで天下とっとらぁ）

第145話

水蛇はピルツさんに目掛けて襲いかかる。

ピルツさんは驚きはしているようだが、慌てずに大剣で水蛇を受け止めている。

水蛇は大剣に阻まれ勢いをなくしていく。

すると水蛇は大剣から離れロメントの下に戻る。

おいおい。

精霊魔法ってのは攻撃しても消えないのか？

エルフ自体が人前にあまり姿を見せない上に、そのエルフの中でも精霊魔法をもっているのは極少数だから見る機会がほとんどない。

普通魔法は魔力を使いその現象を生み出す。

スキルに寄って魔法の属性は変わるが、一度身体から離れた魔力は戻る事はない。

魔力の込め方やスキルがレベルアップする事で魔力にある程度の指向性を持たせる事はできる。

しかしあくまで最初からそんな動きをする様に役割を持たせるだけで、あんな意識を持ったような動きはできない。

「あれ？君って意外と強いのかな？これで終わるって思ってたのに。それじゃ僕の事を応援している人達のために、もう少しだけ闘ってあげよう。」

変態が何か言っているが、ピルツさんはお構いなしに距離を詰める。

離れて闘っては不利だと思ったのだろう。

大剣を構えてロメントに肉薄する。

そのまま上段から大剣を振り下ろす。

しかしその大剣は水蛇により防がれる。

あの大剣の勢いで斬れないとは水なのになんて硬度なんだ。

「それじゃ次は僕の番だね。」

ロメントは剣を鞘からだす。

あれだけの精霊魔法を持っているのに剣も扱えるのか‥

ロメントが手に持った剣は細めの剣、刺突剣だ。

打ち合ったりするのには向かない刺突に特化した剣だな。

その剣を中段に構えたままロメントはピルツさんに迫る。

ピルツさんは迎え撃つように上段から大剣を振り下ろし‥

いや、振り下ろせなかった。

ロメントの剣が‥

刺突がピルツさんの腕に突き刺さり、動きを阻害した。

そのままロメントはピルツさんに向かって刺突を繰り出す。

刺突があまりに速すぎて何発放ったのか、ここからでは確認できない。

そして刺突を受けたピルツさんはそのまま後ろに倒れた‥

「そこまで！勝者ロメント！」

「ふぅ、みんな僕を見てくれたい？今日の僕も格好よかったかい？」

変態は観客や自分の取り巻きに投げキッスをしている。

こちら側にも飛んできたので、ミミウのタワーシールドに隠れてやり過ごした。

「あ、あ、あにきーーー！」

キノコがワラワラとピルツさんに群がっている。

あれだけ集まったら胞子とかでピルツさん回復しそうだな。

刺突を喰らってはいたが、会場の回復士で十分治るレベルだったのかそれともピルツさんの肉体の強さなのか回復を受けたピルツさんは歩いて会場を後にする程に回復していた。

ロメントのスキル【精霊魔法】はかなり高レベルだと思われる。

しかしそれと共に剣の扱いもスキル【剣士】なのかレアスキルの別の何かなのかわからないが、かなり高レベルみたいだな。

悔しいが変態だがやはりSランクといったところだな。

まだまだ本気を出していないだろう。

Bランクではまるで相手にならなかった。

やはり闘技会は簡単に優勝できるものではないようだな。