第144話

会場がざわついている。

そりゃそうだ。

Bランク冒険者が2人も下克上したんだからな。

例年Bランクが一回戦を突破するのはもっと少ないのだろう。

観客よ、ちなみにAランクの人たちが弱いのではなく、うちのパーティの娘たちが強いのだからな!


「魔力を乱す?」


「そう。人の身体はその人の魔力が流れているから少し難しいけど、剣みたいな無機質の物を覆ってる魔力何かは乱すのが簡単なのよ。」


うん。

よくわからないけど、アキーエがとんでもない事を簡単にやってのけたって事だけはわかるかな。


相変わらずアキーエは凄い女性だな。



さてミミウもアキーエも一回戦を突破した。

あとは俺だけだが、俺の試合はもう少し後だ。


そして俺の出番はもう少し後なのに何故かすでにアキーエお母さんが緊張している。


「マルコイ試合前にトイレとか行っとかなくていい?」


いや、だからオカンか!



次の第四試合は‥

あの変態エルフか‥


負けてくれないかな?


「では次の対戦に移る。ロメントとピルツ、両者場内へ!」


「兄貴出番です!」


ん?あれはピルツ側の応援者かな?

ものすごく気合が入ってるけど。


そして兄貴と呼ばれた深い紫色の髪色をした‥

マッシュルームが出てきた。


よく見ると兄貴と呼んだ男も赤茶色の髪をしたマッシュルームだ。


「あれ?あれって確か‥」


どっかで見たことある!

あ、色とりどりのマッシュルームが増殖した。


「確か王都で緊急依頼受けた時に冒険者ランク下位の人たちを纏めてたパーティ『クレイジーマッシュ』の人たちじゃないかしら?」


「そうだ!狂ったキノコの人達だ!」


狂いキノコの人たちには兄貴分の人がいたのか。

ノベルタさんだったかな?

あの人たちはCランクパーティだったけど、兄貴分の人は上位ランクか。

あれ?

そういえばあの人予選で見たような‥

でもあの時は1人だったから気づかなかったのか。


でもちょっとは知ってる人たちだし、変態エルフを倒してくれるなら万々歳だ。


真剣に応援しよう!



「両者準備はいいか?それではSランク冒険者ロメント対Bランク冒険者ピルツの闘いを始める。」


やはりあの変態エルフはSランクだったか。

いや、ランクなんて関係ない!

あなたならできるはずだピルツさん頑張れっ!

俺は心の底からあなたを応援するぞ!



「それでは始めっ!」



この2人も見合ったまま動かない。

というか変態は下を向いてため息をついている。


「はぁ‥。なんで僕の初戦が君みたいなむさ苦しい人なんだい?」


確かにピルツさんはマッチョでちょっとむさ苦しい。

髭までモジャモジャだ。

そしてマッシュだ。

しかしそんな事は強さには関係ないんだ!


「あんまり時間をかけて闘いたくない人だから早々に決着をつけてあげよう。」



なにを〜、むぎぎぎ!


やってしまえピルツさん!



「無駄口は好かん。早く来い!」


ピルツさんは大剣を構えてロメントを睨みつける。


男らしいぞピルツさん!




「それでは行くよ。『水の精霊よ。僕に力を貸してくれ。水蛇顕現!』」


ロメントが精霊魔法を使うとロメントの身体の周りに大きな水蛇が出現した。

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