第142話
頭がアフロになったマガーレットは悔しそうに地団駄を踏んでいる。
「私の美貌を台無しにしやがって!絶対に許さないからっ!」
「あら?そっちがいつもの口調かしら?そっちの方がまだ好感持てるわよ。」
「ーーーっ!」
マガーレットの顔が真っ赤になってる。
アキーエ煽るな〜‥
「後悔させてやる!」
マガーレットはすっと広がっていた剣を手元に寄せる。
「このスネークソードの恐ろしさ‥思い知るといいわ!」
マガーレットの手元が動いたかと思ったら、物凄い速さで剣がアキーエに迫っていた!
身体を捻り剣を躱すアキーエ。
しかしその頬から血が流れている。
「よく躱したわね。見えてる?」
「辛うじてね‥」
「そう。でもいつまで躱せるもんじゃないわよ!」
マガーレットが手を振ると剣が生き物のようにアキーエに迫る。
アキーエは先程とは違い来るのがわかっていたため大きく横に避ける。
しかし避けた剣はマガーレットが手元を動かした事により軌道を変えて、またもアキーエを襲う。
アキーエは警戒していたのか、転がるように避ける。
地面を叩いた剣はマガーレットの手元に戻る。
そして勢いをつけてまたアキーエを襲う。
その途中でマガーレットは手元を動かす。
するとアキーエの顔を目掛けて向かってきた剣は突然軌道を変えてアキーエの腹部に迫る。
血飛沫が上がる!
お腹を確認するが、肉は抉れていない。
なんとか皮一枚で済んだようだ。
身体を捻り剣を避けようとしたが、避けきれなかった。
「よく避けたわね。終わったと思ったのに。でもあんまりしつこいと男に嫌われるわよ。」
相変わらずムカつくやつね。
でもこのくらいの傷なら問題ないわね。
身体の中に巡る気を集中させる。
傷の部分に重点的に流して痛みをとり出血を抑える。
ふぅ。
ほんとにスキル【気功士】を模倣させてもらって良かったわ。
こんなに応用が効くスキルだったなんて思いもしなかった。
傷の部分に流す気はそのままに、目に気を集める。
マガーレットの持つ剣にうっすらと白色のモヤがかかっているのが見える。
そのモヤが振動する。
するとマガーレットの手から剣が放たれる。
来ることがわかっていれば躱すことは問題ない。
伸びた剣先のモヤが右に曲がろうとしている。
おそらく右に軌道を変えるのだろう。
それを見て逆の方向に移動する。
すると真っ直ぐこちらに向かっていた剣は突然わたしの動いた方とは逆に向かって進んだ。
思った通りだ。
やはり魔道具だけあって、あの特殊な動きは魔力を使っているみたいだ。
鞭士としての技術と魔力を通した魔道具の力であの剣を制御していたんだわ。
でももうわかった。
マガーレットを見るとわたしがあまりに早く回避行動をとった事に驚いているみたいね。
「偶然にしては運がよかったわね。でも次もそう上手く避ける事ができるかしら?」
残念。
今からはこっちのターンよ。
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