第140話
ミミウは無事に第一回戦を勝ち上がる事ができた。
しかしスキル【剣闘士】が居たことには驚いた。
戻ってきたミミウに声をかける。
「マルコイさんが以前持ってたスキルだったから対処できたですぅ。マルコイさんと一緒で攻撃を防ぐよりも逸らすのが基本的な闘い方だってわかったから助かりましたですぅ。」
それは良かった。
しかし咄嗟の判断や魔道具の使い方なんかはミミウの訓練の結果だろう。
さてあとは俺とアキーエだな。
会場ではすでに2回戦が始まっており、双剣士と大剣士が闘っている。
大剣士はスコルさんに勝った人だったけど、流石にAランクの双剣士の人とは自力が違うようで大剣を躱された後の反撃で徐々に攻撃を受けているようだった。
時間が経つごとに大剣士の動きが鈍くなってきて、最後は双剣士に首元に剣を突きつけられて参ったと宣言した。
2回戦の勝者は双剣士の人となった。
3回戦は‥
我らがアキーエさんの出陣だ。
「マガーレットとアキーエの2人。場内に入るように。」
入場のアナウンスでアキーエが呼ばれた。
「それじゃ行ってくるわね。」
アキーエは特に気負うことなく会場に歩いていく。
「アキーエ!」
俺は声をかける。
「俺たちパーティでこの闘技会を見に来ている人をアッと言わせてやろう。」
「任せといて。」
アキーエは俺を見つめながら、思わず見惚れてしまいそうな笑顔でそう言った。
アキーエとその対戦相手が会場の中央に歩み寄る。
アキーエは動きやすいようにふんわりとしているが質素なワンピースにズボン姿だ。
対する相手は‥
露出度が高い。
胸元しか隠れないようなレザーの上着にぱつんぱつんの短いスカートを履いている。
そして手に持っている武器は‥
あれは剣なのか?
細い剣を手に持っているがかなりの長剣だ。
「それでは闘技会第三試合。Aランク冒険者マガーレット対Bランク冒険者アキーエの対戦を始める。」
「両者前に。準備はいいか?それでは始めっ!」
闘いが始まった。
しかしお互い動きはない。
アキーエは相手の出方を伺っているようだが、マガーレットは笑みを浮かべたまま動くようすはない。
アキーエが痺れを切らしマガーレットに向かい進もうとする。
「アキーエさん。」
するとマガーレットがアキーエに声をかける。
出端を挫かれたアキーエは動きを止める。
「先程話をしていた人はあなたの恋人?」
突然何を言っているんだろう。
もちろん恋人に決まっているではないか。
「ち、ち、違うわよ!ただの幼馴染よ。」
違ったらしい‥
でもそんなに強く否定しなくても‥
「そうなの‥」
そう言いながらマガーレットはアキーエに向かい歩み寄る。
アキーエは警戒して構えをとったままだ。
それに対してマガーレットは無防備に近づいていく。
そして近くまで寄るとアキーエに何か話しかけている。
そしてしばらく会話したと思ったら、また距離をとり構えをとった。
それに対してアキーエは動揺しつつも怒っているのか?そんな顔をしてマガーレットを睨みつけている。
アキーエの動揺を誘う作戦か?
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