第121話

なんかアキーエがやらかしたらしい‥


しかしアキーエがあわあわしている姿を見れる事が滅多にないので、しばらく上から観察する。


あ、目が合った。

アキーエがその場で地団駄を踏んでいる。

その姿も可愛いので、しばらく見ておく事にする。


するとアキーエの後ろから尋常じゃないくらいのオーラが見えた気がしたので、慌てて下に降りた。



「何をやらかしたんだ?」


「ちょっとだけ力加減を間違えたらこうなっちゃった‥」


「それより何ですぐに来てくれなかったのよ!」


アキーエがジト目で睨んでくる。


う〜ん、あわあわしてたのが可愛かったからとか言うと怒られそうな気がするな‥


「あわあわしてたのが可愛かったから。」


あ、つい本音が‥


「もうバカ!」


おっ?

最近こんな反応も多くなってきたな。

うん可愛い可愛い。

ニンマリと見ていたら腹にぐーパン喰らった‥

胃の中身じゃなくて、胃が口から出そうだ‥






「しかしなんでこんな事になったんだ?」


「それが新しく覚えた【格闘士】の技で浸透勁というのがあって、それに【気功士】のスキルで魔力を混ぜてみたの。それでマルコイで試してみる前に木にやってみたら、木が爆発しちゃった。」



あっぶねー!

しちゃったじゃないからね!

俺が爆発するからね!


「多分、人にすると相手の魔力が抵抗するから、もっと威力は落ちると思うんだけど、木だと魔力の抵抗がないから思ったより威力が出ちゃったのよ。」


しかし恐ろしい威力だな。


「これってアキーエの必殺技だな。そうだ俺が必殺技に名前をつけてやろう。必殺『爆発拳』だ!」


するとアキーエは眉間に皺を寄せる。




「いや。」


「なぜに!カッコいいじゃないか!」


「マルコイってネーミングセンスないのね‥これじゃ赤ちゃんの名前とか‥」


「ん?なんだって?」


「何にもないわよっ!ちゃんとお披露目するまでに名前は自分で考えとくから大丈夫よ。」


そう言ってアキーエは宿に戻って行った。




そして‥


俺は後から来た宿の人に責め立てられた‥


げせぬ





翌日は朝から魔道具作りを行った。

とりあえず考えていた緊急時用の魔道具に関しては完成した。

後は2人に話をして事前準備をしとかないとな。


元々作る予定だった魔道具作成が終わったので訓練をするか討伐依頼を受けるか考えていたが、ふとある事を思いついた。


アキーエが必殺技を覚えたから、ミミウにも何か新しいものができないかと考えてちょっとタワーシールドに細工をしてみた。


これを使えるかどうかはミミウ次第になるけど、ミミウの事だから練習してすぐに使えるようになるだろう。

もちろん参考にしたのはスキル【異世界の知識】さんだ。


何種類か使えそうなやつは全部盾に詰め込んでおく。

盾が物すごく重くなってしまったけど、ミミウのパワーなら問題ないだろう。


問題ないよね‥?

後で聞いておこう‥


ミミウに話を聞こうと思ったら、外出していたので諦めようとしたが、宿の人からミミウが『ミミウちゃんのパンケーキ屋さん』に行ったと聞いて、俺もお腹が空いたのでちょっと行ってみる事にした。

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