第120話

無事にスキル【気功士】を模倣する事ができた。

しかしこの施術はクセになりそうだな。

これから常連になるかも。


でもアキーエに譲渡するならアキーエも使えるようになるから‥

何か変な実験とかされそうな気がするからやめておこう‥


スキルは模倣できたけど、とりあえず気持ちいいので最後まで施術を受ける。


「彼氏さんは急に魔力が増えたりしたかい?かなり魔力がある魔法使いが長年魔法を使ってきたくらいに魔力詰まりがあるよ。今回の施術でかなりよくなるとは思うけど、できれば定期的に通ってくれた方がいいかもね。」


「あ、魔力については少し思い当たる節がありますね。」


確かにスキル【エレメントナイト】を発現してから、急に魔力が増えた気がしていた。

もともとスキルを発現するたびに魔力が増えていた感覚はあったが、【エレメントナイト】は他とは隔絶した量が増えた気がした。


スキル【エレメントナイト】の副産物的な物かと思っていたが、深く考えてはいなかったな。

しかし急に魔力が増えた事による弊害がこんな感じにでるとは思っていなかった。


ハオランさんの施術が終わってから、魔力の循環が恐ろしくいい。

多分エンチャント:火でエンチャント:爆炎とはいかないが、それに近い力は出せるかもしれないな。

思いがけない能力アップになったかもしれない。


これは定期的に通って施術をしてもらい、増えた魔力を身体に馴染ませる必要がある。


「ありがとうございました。定期的に通わせてもらいます。」


「それはよかった。次回は彼女なしでも大丈夫ですからね。」


「わかりました。でもあいつがついてきたがるんですよ。はははグッ!」


アキーエさん。

脛はいかん。脛は‥




スキル【気功士】を模倣し、定期的に通う事を約束したのでハオランさんのお店を出る事にした。


「それじゃまた。」


するとハオランさんはアキーエに向き直り


「アキーエさん。貴方もまた来てくださいね。また彼氏の愚痴も聞きますから。」


「もう!そんなんじゃないです!でもまた来ますね。」


アキーエは可愛い顔を真っ赤にしてから頭を下げて小走りで走って行った。


ハオランさん‥

やはりあなたはいい人だ。






宿に戻りスキル【気功士】をアキーエに譲渡する。


(ピコーンッ)


『模倣スキルを発現しました。対象にスキルを譲渡しますか?』


譲渡する‥


『スキル保有者の承認を確認致しました。譲渡を行います。どのスキルを譲渡しますか?』


【気功士】


『譲渡するスキルを確認致しました。スキルを譲渡します』


無事にスキル【気功士】をアキーエに譲渡する事ができた。


「それじゃちょっと宿の庭で試してみるわね。」


「わかった、覚えたてのスキルなんだからあんまり無茶するなよ。」


「わかってるわ。ほどほどにしとくわよ。」


そのままアキーエは庭に出て行った。


そしてしばらくして‥





突然宿が揺れる程の爆音がした。


何かの襲撃かと窓から顔を出すと、宿の庭であわあわしているアキーエがいた。


側には煙を上げて根元しか残っていない木があった‥

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