闘技会本戦の準備
第118話
お酒造りはキリーエとロバットに丸投げしたので、時々様子を伺う以外の時間は自分のレベルアップと仲間の装備品などを充実させる時間にあてる事にした。
とりあえず予選に出ていた男の愚行が仲間に及ばないように魔道具を作成する事にする。
キリーエには変わらず安いのでいいから大量に魔道具を購入してもらうようにお願いしている。
なぜかパーティのお金は大量にあるらしく、魔道具が多少高価だったとしても問題ないらしい。
いったいどれほど稼いでいるのやら‥
魔道具のイメージは出来上がっているので、後は作成していくだけだ。
俺は仲間に危機が迫った時に、それを直接防ぐ方法ばかり考えていたが発想の転換をして別の方法で対処する事にした。
部屋にこもり、手元にある大量の魔道具から魔力回路を剥がす作業を始めようとしたらアキーエが部屋に入ってきた。
「マルコイちょっとお願いがあるんだけど‥」
ん?
アキーエがお願いなんて珍しいな。
「どうした?俺の熱い抱擁ならいつでもオッケーだぞ。」
するとアキーエは少し頬を赤らめる。
「ばかね。そんなんじゃないわよ。でもその内お願いするかもね。」
やめてください。
そんな返しは反則です。
アキーエの3倍くらい赤くなってる気がする‥
「ふふ。わたしが強くなるために考えている事に適したスキルを持っている人がいたの。それでよかったら模倣してもらえないかなって。強くなる手段としてマルコイに模倣してもらう事でいいのかなって考えはしたけど、マルコイと一緒に戦っていくためにはそんな事言ってられないと思って。」
なるほど。
しおらしかったのはそういう事だったのか。
「別に構わないだろ。スキル【模倣】は確かに人のスキルを模倣して自分の物にする。けどそれを使いこなせるかは自分次第だしな。」
いろいろと考えてしまったんだろうな。
確かに借り物の力って思ってしまうかもしれないが、模倣したスキルは模倣とはいえ自分のスキルになってるんだ。
そしてただ漠然と使うだけではなく、どうすれば効率よくかつ効果的に使えるのか考えて実践する努力を要する。
それはもう自分の能力だ。
「それで?どこに行けばいいんだ?」
「本屋を探して街をぶらついていた時に見つけたお店があって。わたし【格闘士】を得てから考えてた事があって、技自体は会得することは出来たんだけどそのお店の人が持っているスキルがあればその技術の幅がもっと広がると思ってね。」
すごいなアキーエは。
この間の予選よりもっと先に、強くなろうとしている。
俺も負けないように努力しないと。
「わかった。それじゃその店に連れて行ってくれ。今から大丈夫か?」
「うんありがとう。それじゃ準備してくるね。」
そして30分後戻ってきたアキーエと共に街に出る。
30分長くないかって聞いたら脛蹴られた。
そして宿から20分ほど歩いていると、何やら怪しげなお店が立ち並ぶ区域に着いた。
店には『必ず当たる占い』やら『幸運を呼ぶお守り』なんて看板がある。
あっ『幸運を呼ぶお守り』がセールで半額になってる。
『ここよ。』
そう言ってアキーエが連れてきた店は『病は気から!気功で貴方の病気や疲れを癒します』って看板のついた気功士のいるお店だった。
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