第115話
『ミミウちゃんのホットケーキ屋さん』は確かホットケーキがメインだったから甘い物しか置いてないと思っていたけど‥
まあ他の3人が嬉しそうだからいいか。
「マルコイさん。ホットケーキ屋だから甘い物しかないと思ってるやろ?」
はっ?
キリーエに考えを見抜かれた‥
顔に出てたかな?
「そうじゃないのか?」
するとキリーエはドヤ顔をする。
「ふっふっふ。ホット商会のメニューは日々進化してるんよ。いつまでも同じ物を作ってると思ったらいかんよ。今までなかった食材やから新メニューの開発を1週間で数種類考えて品評会をして、いい物をお店に出してるんやから。」
そう言えば飯処も色々メニュー考えてたもんな。
さすがというか何というか‥
よく見たら看板に本店って書いてある。
支店も出してるんだろうか?
「キリーエこのお店って何店舗か出してるのか?」
「お?さすがマルコイさん。良いところに気づいたやん。実は『ミミウちゃんのホットケーキ屋さん』はこの首都に2店舗で王都と共和国に1店舗ずつ出店しとるよ。」
なんとまぁ‥
さすが商人。
ここぞって時の行動力が半端ない。
「ささ。それじゃどうぞどうぞ。」
キリーエに先導してもらい、席に着く。
「まずは定番のホットケーキからや。」
前にキリーエに教えたホットケーキが最初に出てきた。
しかし以前よりも豪華になっている。
「これはホットケーキにベーキングソーダを混ぜて膨らましてるやつで、前のホットケーキよりもふんわりしてるんよ。」
確かに俺が教えたやつよりも食感がふんわりしている気がする。
それに一緒に出してある炭酸水にも変化があっている。
レモンっぽいやつだけじゃなくてグレープとかオレンジなんかも種類が増えてた。
「祝勝会やから少し小さめにしているけど、コース料理みたいにたくさん出すから、お腹いっぱい食べてや。」
その後にさまざまな料理が出てきた。
ホットケーキの生地を薄く焼いて異世界のクレープっぽくしたやつや、たこ焼きみたいに丸くなってる物なんてのもあった。
それにキリーエが言っていた甘くないホットケーキも美味しかった。
焼く時に蜂蜜を少量しか入れていないようで甘さが控えめの生地だったが、それにお肉や魚系の物を挟んだ物が出てきた。
正直合わないんじゃないかと思っていたが、思いの外というか、かなり美味しかった。
塩っけのある具材に少しの甘みがある生地が絶妙にマッチしていた。
気を利かせてキリーエに、「これって持ち帰りとかで売っても売れるんじゃない?」って言ったらキリーエが何処かに行って30分くらい戻って来なかった。
戻ってきたと思ったら、明後日から食べ歩きできるように片手で食べれる、生地で具材を巻いてる物を出すらしい。
さすがだ‥
そんなこんなで平和なひと時を過ごしていたが、アキーエのとある一言でまた騒がしくなった。
「甘くないやつってお酒と一緒に食べても合いそうよね。わたしそんなに飲まないけど、これだったら
お酒もすすみそうね。」
アキーエがそんな事を言うもんだから、ついつい俺も調子に乗って言ってしまった。
「そうだな。美味しいお酒を考えてみてもいいかもな。」
「マルコイさん!その話よ〜く聞かせてもらおうか?」
あっ、やってしまった気がする‥
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