第107話
周りを見渡す。
馬鹿(ノギス)やカリーンさんの後ろには、たくさんの観客の人たちがいる。
アキーエじゃないけど、こんなとこに立つ事が出来るなんで思ってもいなかったな。
いろいろな人達のおかげでここまでこれたが、まだまだ先に進めるのであれば行けるとこまで行ってみたいと思う。
あまりにご都合主義すぎて、スキル【模倣】に何かしらの意思が絡んでるじゃないかと思った事もあったが、だとしてもここまで連れてきてくれたのだ、思惑にのってやってもいいと思う。
もし魔王を倒せだの世界を救えなど、あんまりでっかい事はできないと思うけど、その手伝いくらいならいいかな‥
「おいおい。何をボーっとしてんだ?油断してないで最初から全力でこいよ。言っておくが俺は今まで人に負けた事がないんだ。だからランクはCだが、実力はAやSかもしれないんだぜ?」
ノギスが何か言っている。
確かに負けた事がないからそうなのかもしれないけど、強者の独特の雰囲気をノギスは持っていない。
実力はあるのかもしれないけど、雰囲気的にヤバいと思わないから大丈夫だろう。
しかし本来ならボッコボコにしてやりたいけど、ナーシスの仲間だ。
そこまでするのはかわいそうだ。
ナーシスが泣いたりしてもいけないからな。
だから9割9分ボコくらいにしておいてやろう。
「それでは準備はいいな。これより二回戦を開始する。始めっ!」
ついに始まった。
先程から様子を伺っているが、ノギスが話しているのを聞いていたからだろうか?
俺とノギス、それ以外の3人といった構図になっているようだ。
俺とノギスが戦っている間に後ろからなんて事はなさそうに見える。
これも脳筋たる所以か。
「それじゃ行くぜ。お前の見せ場はないけど心配すんな。俺が本戦も優勝して俺に負けたんだから仕方ないって思わせてやるぜ。」
ノギスはそんな事を言いながら突っ込んできた。
確かにかなりのスピードだ。
自分に自信を持っているのはわかる。
しかしアキーエより遅いぞ?
俺のところまで突っ込んできて剣を振るう。
袈裟斬りを受け止め弾き返す。
「俺の魔剣イズラボドッヂを受け止めるとは思っていた以上にやるじゃねーか。しかしそう何度もいかないぜ。それに俺のスキル【狂戦士】はもっと強く早くなっていく。いつまで耐えられるかな?」
魔剣イズラ‥ほにゃららか‥
どう見てもただの鉄剣にしか見えないんだが‥
ミミウの盾にくっついて離れなくなりそうだ。
するとノギスの身体から赤い光が立ち昇る。
ノギスは先程よりも早いスピードでこちらに向かってくる。
念のためにエンチャント:土を使用して様子を見る。
ノギスは魔剣イズなんちゃらを使い連続で斬りつけてくる。
剣術を習った感じではない。対人戦を想定してではなくモンスター討伐の戦い方だ。
一つ一つの剣をいなす、弾く、受け止めるなどして連撃を受け止める。
スピードはあるが容易に受け止める事ができる。
するとノギスの身体の周りの赤い光の色が濃ゆくなってきた。
それと同時にスピードが上がっていく。
なるほど。
最初に言っていた感情で強さが変わるってやつか。
どこまで強くなるのか興味はある。
しかし大会中だしな。
そろそろこちらも攻撃に転ずるとするか。
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