第105話
高火力の魔法を喰らったアキーエの対戦相手達はこんがりと焼けていた。
属性魔法:爆炎については使い慣れているためか、丸焦げだがポーションや回復魔法で回復する程度のダメージを与えている。
最初に3人かかりで狙われていた男は、流石にまだ動けるダメージではあったが、これ以上の戦闘は難しいと思われ負けとされていた。
脳筋だから戦いの続行を希望するかと思ったが、結構あっさりと負けを認めていた。
男が負けた後に自分の前を仲間と思われる人に肩を借りながら出て行くときに、「あれはまだ強くなるぞ。だからかな。完璧に負けて、負けを素直に受け入れることができた‥」と晴れやかな表情で言っていたのが聞こえた。
勝者のアナウンスが聞こえ、アキーエの名前が呼ばれる。
観客に軽く挨拶をした後にアキーエはこちらに戻ってきた。
「どうだった?快勝できたと思うけど?」
アキーエは嬉しいのを隠す事なく笑顔で聞いてきた。
「完璧だったな。アキーエもミミウも本戦からは警戒されるとは思うが、対策の取りようがないからな。2人とも本戦でもいいとこまでいけるだろうな。」
「ありがとう。じゃあ本戦の決勝はわたしとミミウになるかもね。」
にんまりと笑ってアキーエが言う。
確かにそれくらい強かったと思う。
これは俺も負けてられないな。
「はは。それに俺も参加できるように頑張るよ。」
本戦はAランクや人数は少ないがSランクの冒険者も参加する。
この大会の優勝者は冒険者ランクが1つ上がる事が約束されている。Sランクの冒険者もSSランクになれるため、参加できる冒険者は積極的に参加している。
自分たちの強さがどこまで通用するかわからないが、いけるとこまで行ってみたいと思う。
その日は予選がもう一試合あった。
この試合ではドラゴン討伐で一緒に戦った、アマンダとアックレが参加していた。
2人とも格闘士スタイルでアマンダが【身体能力向上】アックレが【格闘鬼】だったはずだ。
戦いはアマンダが2人を相手どって善戦し、1対1で槍士を倒したアックレがきた事で2対2になった。
アマンダが1人を倒したがアックレは槍士を倒したが、ダメージが大きかったのか、剣士の男から戦闘不能になるダメージを受け負けてしまった。
その後アマンダとアックレを倒した剣士が1対1となったが、アマンダが切り札の【強化】を使用して勝利した。
アマンダの切り札【強化】は単純に自分の能力値を底上げしてくれる。しかしレベルが低いと効果がなく、レベル1とレベル2には隔絶した差があるようだ。
俺が使用した時は能力値はほとんど上がらなかったからな。
それに使用時間が決まっており使った後の疲労感も凄い。
しかしアマンダはスキルを上手く使い短時間で勝利をもぎ取っていた。
これで今日の闘技会予選が終わり、ミミウとアキーエ、それに知り合いのアマンダさんが本戦に勝ち上がる事ができた。
明日は自分の試合になる。
アマンダたちに恥ずかしくない戦いをしないとな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます