第103話

ミミウは勝った。

それも圧倒的に快勝した。

まだ付き合いは短いけど、ミミウの事は姉妹のように思ってるし、かけがえのない存在だ。

だから‥

だからこそ‥わたしも負けれない。

近い存在だからこそ余計に負けたくない。

当日まで本戦でマルコイやミミウと戦う事になったら自分は本気で戦えるのだろうかとか、魔法使いの自分は予選で負けてしまうかもしれないなんて色んなことを考えた。

そして人って本気でいろいろ考えたら、頭から煙が出るってほんとだったってわかったわ。

マルコイが凄く焦って生まれて初めてポーションを飲む事になったわよ。

今まで病気らしい病気もした事なかったから、マルコイは慌ててアキーエに何かあったら心配だからって言ってくれたけど、内容が内容なだけに嬉しかったけど、恥ずかしかった!





マルコイに言ったら反対すると思ったから、闘技会に参加する事をギリギリまで言わなかった。


ミミウとは2人で話して決めたけど、ミミウもわたしも強くなっている事が実感できていたから、わたしたちがマルコイが心配しなくていい、いつまでも一緒に戦っていけるんだよって思ってくれるように頑張ろうと思って参加を決意した。


魔族と戦ってからマルコイはわたしたちの事を凄く心配する様になった。


確かに死にかけたからそうなってしまうのは仕方ないと思う。


でもそれじゃダメなんだって。

背中を安心して預けてくれる様にならないといけないんだって思う。


大会前にもマルコイは自分についてきてくれるかって聞いてきた。

もちろんマルコイが行く所について行くって答えたけど、言葉だけじゃなくて行動でもきちんと証明してみせる!






戦いが始まった。


参加者で1人強い人がいるみたいで、アキーエ以外の参加者はその人を警戒しているようだ。


2人がその男と戦いを始めて、1人はアキーエを警戒しながらその男を牽制している。


狙われた男は2人に挑まれ、1人に牽制されている事で苦戦しているようだ。


アキーエは少しの間様子を見ていたが、すぐに行動を開始する。


牽制役をしていた男に向かって走り出し間合いを詰める。


男は予想していたのか、別の男への牽制からアキーエへと意識を向ける。


アキーエが格闘士である事を確認しているためか、拳が届かない間合いから剣を振るっている。

その剣をアキーエは自身のガントレットを使い弾く。



するとアキーエのガントレットが‥



爆発した。




剣を振るった男も何が起こったのかわからず、呆然としている。

そして煙の中からアキーエが男の目の前に飛び出してきた。


慌てて剣を振るいアキーエを斬ろうとするが、男の剣先は先程の爆発で折れていた‥


アキーエの前蹴りが男の鳩尾に刺さる。

模倣スキル【格闘士】と【下肢筋力上昇】のコラボキックだ‥

見てるこっちまで悶絶しそうになる‥


男は倒れ込み嘔吐する。

その首元にアキーエが手刀を入れ、行動不能にする。


そしてアキーエは他の3人に目を向けて移動を始めた‥

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