第87話

「俺は闘技会参加するよ。」


アキーエとミミウには話をしていたから驚いた様子はない。


「そうなの!よかったわ。今年の闘技会は盛り上がりそうね。」


「イザベラさん。」


アキーエとミミウがイザベラの方に寄っていく。


「わたしとミミウも参加するわ。」


「え?ほんと?パーティ全員参加するなんて滅多にないわ。やるわねマルコイちゃ‥」


はい?

聞いてないんですけど‥?

推薦聞いた時は参加しないって言ってなかったっけ?

アキーエたちをみるとニヤニヤしている。


「聞かれなかったから言わなかったけど、わたしとミミウは話し合って参加する事に決めてたの。」


く〜。

アキーエのしてやったりの顔が‥

可愛い‥


「いいのか?脳筋ばっかり参加するぞ。」


「ふふん。マルコイのおかげだけど、わたしもミミウも1人で戦う力を得る事ができたわ。だから自分たちの力を試したいってのが本音ね。」


そうか。そこまで自分たちで決めてるのなら俺から言う事はないな。

しかし気になる事がある‥


「イザベラさん。同じパーティであたる事もあるのか?」


「そうね。その辺は配慮しているわ。Aランク冒険者は本戦からの参加が決まっているけど、Bランクは予選があるの。予選から本戦には毎年変わるけどだいたい10名程度が参加する事になるの。だから同じパーティは基本的に予選会場が別れる事になるわ。」


なら俺たちが対戦するとしたら本戦になってからか。


「わかったイザベラさんありがとう。それとアキーエもミミウも本戦で対戦できるように頑張ろうな。」


「当たり前じゃない。マルコイにも負けるつもりないわよ。」


まったくアキーエには敵わないな。

いつから考えていた事なんだか。

軽く考えていたけど、本戦には進めるよう頑張るとしますかね。


討伐報告をした後、イザベラからBランクに昇格した事を告げられた。


「ついにBランク冒険者か。」


「そうね。多分かなり早いペースじゃない?」


アキーエはこちらを見ながら笑っている。


そうだな。アキーエと冒険者になってミミウやキリーエが仲間になった。

他にもいろんな人に助けてもらったな。

駆け足でここまで来たが、冒険者になった時にアキーエと共に決めた、高名な冒険者になるまで走り続けるぞ。




その後Bランクへの昇格祝いで3人でご飯を食べに行く事になった。

キリーエも誘いたかったが、戻りそうになかったので宿に伝言を残して行く事にした。


「さて、どこに行こうか?」


「最近出来た人気のお店に行くですぅ!」


ミミウが詰め寄りながら言ってきた。


「わ、わかった。でも人気の店なら多いんじゃないのか?」


「大丈夫ですぅ。マルコイさんなら少し待つだけですぐに入れますよ。」


よくわからんが、ミミウのおすすめのお店に行く事にした。




今俺の目の前にはレストランがある。

その名も『米処アキーエ』

店の看板には俺の横に立ち、真っ赤な顔で俯いている人によく似た絵が描いてあった‥

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