闘技会への参加
第85話
ダマスカス剣が完成して、2ヶ月がたった。
その間に俺たちはモンスター討伐を主に行いそれぞれレベルアップを図った。
「マルコイさん!前方からオークの群れが来ます。その数20は超えそうです。」
「わかった。アキーエ先制で魔法を頼む。」
「いいの?もしかしたら私の魔法だけで終わるかもよ。」
アキーエは少し微笑んだ後、杖に魔力を込めだした。
「灼熱砲火!」
アキーエの手元から真っ直ぐに放出された火の槍は10メートル程先で放射線状に広がった。
線上にいたオークのほとんどはその熱波をまともに受けて炭化して動かぬ骸となった。
その炭化したオークであった物の後ろから他のオークの1.5倍はありそうな大柄なオークが現れた。
今回の依頼対象のオークソルジャーのようだ。
生き残った数匹のオークを連れてこちらに向かってくる。
「オークソルジャーはミミウがやるか?」
「はい!任せてくださいですぅ!」
返事を聞いて俺はオークソルジャーの周りにいるオークに照準を合わせる
エンチャント:風を使いオークに向かって駆ける。
数歩でオークまで到達した俺はオーク達に向かい剣を振るう。
さほど抵抗らしい抵抗もできずオークたちは絶命する。
そんな俺に対しオークソルジャーは手に持つ斧を振おうとするがその前に大きな盾で横に飛ばされる。
オークソルジャーはすぐに体制を立て直し、巨体を持つ自分を飛ばした強者の方を見る。
そこには身の丈に合わない大きな盾を持っている少女がいた。
少し困惑したオークソルジャーだったが、すぐに手に持つ巨大な斧と鉄を繋ぎ合わせたような巨大な盾を構える。
その盾に向かいミミウはショートスピアを突き立てる。
オークソルジャーは槍を盾で防ぎ大きな斧を振おうとするが異変が生じる。
持っていた鉄の盾が大きく弾かれたのだ。
それに盾にはヒビが入っている。
弾かれた盾を戻そうとするが、腕が動かない。
するとオークソルジャーは腕が曲がらない方向を向いている事に気づく。
すぐに小さな強者の方を振り向いたが目の前に見えたのは彼女が振るう槍の穂先だった‥
「ふぅ。これでオークソルジャーの討伐完了だな。」
「そうね。Bランクの依頼だったけど問題なかったわね。」
アキーエは魔力を込めていた杖を下ろす。
もしミミウの攻撃で倒せなかった時のために追撃の用意をしていたようだ。
「ミミウも大丈夫か?」
「はい!身体は何ともないですぅ!ただ‥」
ミミウは穂先に綺麗な縞模様を持ったショートスピアを盾の裏に収めながら応える。
「ん?ただどうした?」
「お腹が空いたですぅ‥」
ミミウさんよ。オークの群れを発見する少し前に食事を摂ったと思うのだが‥
代謝がいいんだろうな‥
ミミウの小さな体で大きな力を出すのは食べ物というエネルギーが必要なのだろう。
「よし!それじゃ首都に戻って討伐報告をしたら食事に行こうか。」
「わーい!」
「そうね。」
闘技会の誘いがあって2ヶ月が経った。
そろそろ参加の有無の答えを出す必要があるだろうな。
まあすでにどうするかは決めているけどな。
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