第83話

ふ〜む、他にたくさん残念な商品が多数ある‥


魔力劣化ポーションだったり腕力劣化薬だったり‥

普通のポーションは高いけど、こっちなら買えるけど、買おうとは思わない‥


「俺の仲間のキリーエって商人に来てもらうから、そいつから売れる方法ってのを少し習ったらいい。さっきの【魔道具士】を紹介してもらうお返しだ。」


「でもそれはいいって‥」


「なに気にするな。助けたお礼は錬金術を見せてもらったのとポーションを貰ったので十分だったからな。」


「ありがとう。」


ふむ。

こうやってしおらしくてると歳相応で可愛いけどな。


「さて俺は帰るけど、ナーシス今日はありがとうな。アリアもいろいろと勉強になった。ありがとう。」


店を出ようとするとナーシスが近づいてきた。


「あ、あのっ!」


おおうっ。近い近い‥


まだ幼いとはいえ、異性にこれだけ近くに来られるとドキドキするな‥


「また会いにきてもいいですか?こ、こ、こ、こ、こ、‥」


ニワトリ?


「今度はご飯でも食べに行きましょうっ‼︎」


なんかわからないけど凄いプレッシャーを感じる‥


「お、おう。それくらいでよかったら、いつでも付き合うぞ。いつでも誘ってくれていいからな。いなかったら宿に言伝してもらってたらいいから。」


「はい!ありがとうございます!」


お店を出で帰路に着く。


「ナーシスにしては頑張ったわね。」


「だからそんなんじゃないって!」


「でもいつでも誘っていいなんて少しは‥」


歳頃の女の子たちは話のネタが尽きない物だな。

あまり聞こえないが楽しそうでなりよりだ。


 




マルコイは鈍感レベルが1上がった‥





夜が明けて次の日。


今日は1日サミュウさんの作業場を借りれる事になっている。


借りれる時間が限られてはいたが、借りれる時はフルに時間を使って作業をしてきたおかけでようやく9割程度は完成している。


今日はなんとしても完成まで漕ぎ着けたいと思っている。


【剣匠】のスキルを使用してもダマスカス鋼の鍛造は一筋縄ではいかない。


もちろん【鍛造】のスキルを持っているサミュウさんにも手伝ってもらっているが、それでも通常の刀剣の倍以上の時間がかかっているらしい。


「どうもサミュウさん。今日こそは完成させたいと思ってるので、時間がある時でいいので手伝ってもらってもいいですか?」


店に着き、サミュウに声をかける。


「おはようマルコイさん。もちろんいいですよ。私もあの剣の仕上がりが気になりますからね。今日も客はあまり来ないと思いますから、ガッツリ手伝わせてもらいますよ。」


サミュウさん‥

それは言ってて悲しくないか?

あ、自分で言って自分で落ち込んでる‥


その日はやはりあまり客が来なかったので、サミュウさんにかなりの時間付き合ってもらって作業を行った。


作業を始めて何時間たっただろうか‥

日が沈みかけて茜色に空が染まった頃に、ついに作業が終了した。


俺の剣、ダマスカスブレードが完成した。

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