第82話

【錬金術士】を模倣し、体力ポーションをもらった後に少し店の中を見せてもらった。


店にはアリアが作製した物や、用途がよく分からない魔道具のようなもの物もある。


「アリアは魔道具なんかも作るのか?」


「そうね。作ろうと思えば作れるわ。ただ専門分野ではないわね。魔道具に関しては【魔道具士】ってスキルを持っている人が本職になるの。私のスキルでも作製はできるけど、それこそ火をつけたりする魔道具とか簡単な物に限るわね。スキルレベルが上がれば、その限りじゃないんだろうけど。」


魔道具か。

魔道具については今の技術で作れる魔道具と、遺跡などから発見されるアーティファクトと呼ばれる過去の技術で作られていて再現できない魔道具がある。


今の魔道具も物を冷やしたり、放出魔法が使えない人が魔道具を持つ事で魔法を放出したりする事ができるが、過去のアーティファクトに関してはレベルが違うようだ。


それこそ人を別の場所に転移させたり、水を補給なしで永続的に出す事ができる物まであるらしい‥

しかしそんな貴重な物は王族やら大金持ちみたいな一部の人が持っているとかいないとか‥


しかし【魔道具士】か‥

そんな有用なスキルを持っている人がいれば模倣させて貰いたいものだけどな。


「なに?【魔道具士】とも会いたかったりするわけ?それならセイウットにいる知人に会えるように紹介状でも用意するわよ。」


「本当か?それは助かる。借りはいつか返すから。」


「そんなのいいわよ。ナーシスの恩人に私からのお礼って事で。」


錬金術を模倣するための足掛かりになりそうだから、本当に助かる。

錬金術は模倣では使い勝手が悪いが、統合できれば何か役に立つスキルを得られるかもしれないからな。


しかし魔道具やポーションはかなりの値段はするな。

安価の物もあるが、説明書きが悪い‥


体力劣化ポーション

使用すると傷に唾つけたスピードの10倍くらいの治癒力。


‥‥‥どうなのこれ?


「商品の説明書きってアリアがやってるのか?」


「そうよ。一つ一つ手書きでわかりやすいように説明しているの。でもなかなか売れないから、いつも経営が厳しいわね〜。」


「アリア‥この『体力劣化ポーション』だけどな。せめて『劣化体力ポーション』にしろ。文字の並び方だけで、体力が劣化するポーションに見えるぞ‥」


「え?」


アリアは愕然とした表情でこちらを見ている‥


アリアが気付いてなかった事に驚き愕然とした表情でアリアを見る俺。


何となく2人に合わせて愕然とした表情を装っているナーシス‥


いや、何で君がそんな顔してんの!


「と、とりあえず今度俺の知り合いの商人に来てもらうか?そしたら多分売り上げは伸びると思うぞ‥」


「あ、ありがとう‥か、書き方が悪いなんて‥」


ふつー気づくたろう‥


後で核爆弾商人娘を送り込むか‥


核爆弾ってなんだ?


あ、異世界の知識か‥


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