第76話

次の日に早くからギルドに向かった。

もちろんスキル検証のために討伐依頼を受けるためだ。

ギルドまでの道のりを歩いていると、何故かチラチラと視線を感じる‥

気のせいだろうか?


首都には朝早くから朝食を出している店がチラホラある。

ほとんどが昼から夜遅くまでやっている店だが、軽食を出しているような店は朝からやっているようだ。

その中で長蛇の列を作っているお店があった。

看板にはデカデカと『ミミウちゃんのホットケーキ屋さん』と書いてある‥


看板には似顔絵が書いてあって、うちのミミウさんによく似ている‥


「誰がやってるかは想像できるけど、ミミウは知ってたの?」


「はいですぅ。名前と似顔絵出したら、いっぱいホットケーキ食べていいって言ってくれたんですぅ。キリーエさんは優しいですぅ。少し恥ずかしいけど‥」


なるほど‥

キリーエとミミウの間で話し合いが行われていたなら仕方ないけど‥


「ミミウ。知らない人がご飯買ってやるって言っても、ついて行ったらダメだからね‥」


「そうなんですか?気をつけますぅ。」


ミミウさんが知らない人に連れて行かれそうで怖いです。

しかし昨日、【剣闘士】が解体された時に、【腕力】と【俊足】の模倣スキルが統合されずに残ってたので、ミミウに譲渡してるからな。

よほどの強者じゃない限りミミウを連れて行く事はできないだろうから大丈夫かな‥

しかしそれでもお兄さんは心配です。


ギルドに着き依頼を探していると、イザベラさんが声をかけてきた。


「あら〜んマルコイちゃん。今日は依頼探し?」


「そうですね。何か手頃なB〜Cランクの依頼がないか探してます。」


後ろから近づいてこないで欲しい‥

今戦っても正当防衛が成り立つような気がする。

勝てる気がしないけど‥


「じゃあこれなんかどう?レッドオーガの討伐。Bランクだけど下位になるわ。ブルーオーガはBランク上位になるけど、発見されたのはレッドオーガだから、マルコイちゃん達のパーティで倒せると思うわよ。」


「ありがとうございます。それじゃその依頼受けさせてもらいますね。」


「わかったわ。ところで闘技会の話だけど考えてくれてる?」


イザベラがススっと顔を近づけて聞いてくる。

もちろん近づかれた分離れたが‥


「もういけず。」


「まだ日数も経っていないので決めかねてますよ。前向きには検討してますから、待っててください。」


イザベラに依頼受付をした紙をもらいギルドから出ようとする。


「わかったわ。それじゃ気をつけていってらっしゃい。」


イザベラに軽く手を振りギルドを後にした。

なんか色々とツッコみたいが身の危険しか感じない。

身体が防衛反応を起こしているのだろう‥





首都から離れ、オーガが発見されたとされている付近に着いた。


そこで模倣スキル【探索】を使用する。


身体から薄い波のようなものがでるような感じだ。

それが物に触れると、どういったものか頭の中に入ってくる。

スキルを使用した場所から、そう離れていない場所に人よりも大きな動いている物を発見したので、アキーエたちに確認する。


「オーガらしきものを発見したよ。でも戦う前に少しスキル検証してもいいか?」


依頼対象らしきモンスターも発見できたので、少しスキルの検証をして向かうとしよう。

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