第75話

(ピコーンッ)


『模倣スキルを発現しました。スキル【属性魔法:風】を模倣しました』


『スキル【属性魔法:風】を確認しました。統合条件を達成し【属性魔法:四元素魔法】が確認されました』


(やった!これで俺も魔法が‥)


『統合したスキルの中に【剣士】【盾士】を確認しました。統合条件に必要なためスキル【剣闘士】を解体します。模倣スキル【剣士】【盾士】【腕力】【俊足】を確認しました』


『統合条件を達成しました。模倣スキル【属性魔法:火】【属性魔法:水】【属性魔法:土】【属性魔法:風】【剣士】【盾士】を統合します。スキル【エレメントナイト】に統合しました』


はい?





‥‥‥もうだいぶ慣れたけど、模倣スキルさんは俺の予想の斜め上をいくなぁ‥


まさか1度統合したスキルを解体されるとは思わなかった‥


スキル【剣闘士】を解体して模倣した【属性魔法】を統合して【エレメントナイト】になったわけか‥


【エレメントナイト】を覚えた事でスキルの使用方法が頭に入ってくる。


【エレメントナイト】は‥‥魔法は使えないようだ‥


正確に言うと放出系の魔法が使えなくて、属性魔法については全てエンチャントと呼ばれるものになるようだ。


【エンチャント:火】身体能力の向上(筋力等)

【エンチャント:風】身体能力の向上(速度等)

【エンチャント:土】防御力等の向上

【エンチャント:水】治癒能力の向上(自身であれば重度の負傷でも治癒可能)


となる。


魔法系のスキルを覚えて、野球ボールみたいな魔法じゃなくて大きな魔法で薙ぎ払いたかった気がするが、なんだか凄そうなスキルを得る事ができたのでよしとしよう‥


武具は今まで通り剣と盾を使用するようだか、属性エンチャントは武器にも出来るようなので、これは重宝しそうだ。


しばらく固まっていた俺を心配そうに見ていた『戦神の矛』の人たちと少し話をして帰ることにした。


脳筋バラックスさんが、少し時間があったのでもう一度訓練しようと言ってきたが、自分のスキルを把握できていないので丁重にお断りした。

時間作ってまた来いと言われたけど‥


宿に戻り今日の成果をアキーエたちに話す。


「〜と言うことで【剣闘士】から【エレメントナイト】になりました。」


「何がという事なの‥またとんでもスキルを発揮したわね‥」


アキーエの呆れ顔も見慣れたものだ。


「そうだな。同じエンチャントの重ねがけは出来ないみたいだが、別のエンチャントについては重ねがけできるみたいだ。ただエンチャントの発現には魔力が必要で、使いすぎると魔力切れを起こすから考えながら使用しないとな。」


「はぁ‥少し強くなれたと思ったら、また先に行くのね‥」


アキーエが何か言っているが聞き取れない。


「どうしたアキーエ?」


「何でもないわよ!やっぱりマルコイはマルコイね!」


突然怒られた‥


闘技会がきっかけで模倣スキルを増やそうとしたが、思ってた以上に能力アップする事ができたようだ。


「サミュウさんの所に行こうと思ってたけど、ちょっと延期だな。明日は新しく得たスキルの調査をしたいからモンスター討伐に出かけよう。」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る