第72話

今回模倣したスキルで譲渡しようと思っているスキルは【下肢筋力上昇】と【槍士】の2つだ。


アキーエには【下肢筋力上昇】

ミミウには【槍士】

キリーエについては今後商人のスキルを模倣できた時に譲渡する事にした。


まずはアキーエに【下肢筋力上昇】を譲渡する。


(ピコーンッ)


『模倣スキルを発現しました。対象にスキルを譲渡しますか?』


譲渡する‥


『スキル保有者の承認を確認致しました。譲渡を行います。どのスキルを譲渡しますか?』


【下肢筋力上昇】


『譲渡するスキルを確認致しました。スキルを譲渡します』


先程と同じようにアキーエが淡く光る。


「今回のスキルは発現確認型だから頭に入ってきた情報はスキルの使用方法くらいだったから、そこまで驚かなくてすんだわ。」


アキーエはスキルのオンオフを確かめているようだ。


「じゃあ次はミミウだな。」


「はい。」


ミミウはテクテクとこちらに寄ってくる。

う〜ん。やっぱ小動物っぽくて可愛いな。

ほっこりしながらミミウにもスキルの譲渡を行う。


『譲渡するスキルを確認致しました。スキルを譲渡します』


ミミウも同じように小さな光を放つ。

しばらく考え事をしているような様子だったが、頭の中がまとまったのかこちらを見上げてきた。


「15歳の時に最初にスキルを発現した時みたいな感じでした。」


ふむ。ミミウへの譲渡も上手くいったようだ。

とりあえず明日はスキルの模倣は中断して、2人の装備を買ってモンスターでスキルの確認をしてみよう。



翌日、サミュウさんのところでミミウのショートスピアとガントレットを購入してギルドに向かう。


今回は無難にCランクの討伐依頼を選ぶことにした。

しばらく街道から外れて森のそばを歩いていると、討伐対象のコボルトを発見する。

コボルトは獣人族と違い、犬をそのまま二足歩行にしたようなモンスターだが、知識があり武具を装備したり魔法を使用したりもする。


油断できない相手ではあるけど、今の2人なら問題はないだろう。

都合よく2体出てきたので、1体ずつ分かれて対処するようだ。


まずはミミウが動いた。

タワーシールドを前方に構えたまま突進する。

シールドバッシュをしかける様子だが‥

警戒したコボルトは突進を避けるために横に避ける。

しかしミミウは急停止してコボルトに向けてショートスピアを放つ。

今までメイスでただ殴りつけていた時と違い、相手の急所に正確な突きを放っている。


コボルトはシールドバッシュに驚き、横に避けたことで体勢を崩しており次のショートスピアを避ける事が出来ずにミミウの突きを受けて倒れる。


うん。

シールドの扱い方からショートスピアへの移行に無駄がない。

常時発現スキルだから切り替えるって感じではなく常に両方のスキルを使って戦えるようだな。

盾士と槍士の相性はかなりいいようだ。


さて次はアキーエだがどんな戦い方を考えているのかな。

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