第66話

闘技会?

何のことかわからずアキーエを見る。

む?アキーエが知らないの的な顔をしているな‥

うん恥ずかしながら知りません。

目にアキーエさんちょっと変わってくれませんと込めてアキーエの方を見る。


「はぁ‥もう。」 


「イザベラさん。ロレッタス獣人国で行われている闘技会は確か高ランク冒険者が参加できる催し物でしたよね?わたしたちはまだCランクなんで出れないと思うんですけど?」


アキーエに想いが通じた。


「そうね。参加できるのは最低でもBランク以上の冒険者である強者で、国は問わないからエルフェノスや大陸の北にあるロンギル共和国、エルフやドワーフの国からも参加する事があるわ。まぁ神聖国からの参加は今までないけどね。」


神聖国は人族至上主義で獣人国としばしば対立してるからな。

戦争しかけてくる事はあっても催し物に参加はないだろ。


「だったら何でわたしたちに?先程言った通りまだCランクの冒険者ですよ。」


するとイザベラは胸元からメモを取り出した。

どっから出しとんじゃい。

それは胸が大きな女性の特技だぞ‥


「ドラゴン討伐依頼を一緒に受けたバラックスちゃんやアマンダちゃんから話が上がってね。アキーエちゃん達の実力からすると闘技会に出場させた方がいいって。」


イザベラはまたも胸元から紙を取り出す。

頼むから普通にポケットから出してくれるかな‥


「各ギルドにはBランク以下でも実力があれば闘技会に参加できるようギルド推薦があるの。1パーティだけだし、推薦しない時の方が多いわ。でも獣人国は実力主義だから、参加資格がありそうな人には参加してもらえるようにギルドから声をかけるよう義務付けられてるのよ。登録したばかりのEランクの冒険者が出場した事もあったわ。その子は今ではAランクになって近々Sランクに昇格しそうになってるけどね。」


イザベラは闘技会のギルド推薦の事について書いてある紙をみせながら話をする。

なるほど。

しかしそこまで他のパーティに評価されてるとは思わなかったな。

依頼の途中から妙に視線を感じる気がしていたが、そのせいだったのか。


マルコイは気になる事がありイザベラに質問する。


「闘技会に参加するのは検討するけど、そもそも闘技会はいつ頃開催予定なんだ?」


「闘技会は今から約3ヶ月後になるわ。参加受付自体は1ヶ月前からになるから、それまで考えてもらって大丈夫よ。」


「もし俺たちが参加したいって思った時に、他にも実力があるCランク以下の冒険者がいた時は?」


「その時はギルド職員のもと、模擬戦をしてもらう事になるわね。もしいればの話だけどね。」


ふ〜む‥

持って行き方次第ではバラックスさんたち限定だけどこれを理由にスキルを模倣する事が出来るかもしれないな‥


「わかった3ヶ月後だな。参加受付まで少し考えさせてもらうよ。」


「そうしてもらうと助かるわ。活躍次第ではランクアップも考慮されるし、もちろん賞金や賞品もでるからよく考えてみてね。」


「ああ、わかった。」


闘技会か‥

参加してみるのも面白いかもな。

そう思いながらウトウトして船を漕いでいるミミウを小脇に抱え、応接室を後にした。

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