第58話

「イザベラさん。ドラゴン討伐に参加したいと思うんですけど今どれくらいのパーティが参加する予定なんですか?」


「あら?アキーエちゃん達のパーティも参加してもらえるの?」


ガチムチオカマうさ耳はイザベラって言うのか。

いやネームプレートはグレイソンとなっているのだが‥


「そうね。今のところAランクパーティとBランクパーティが2つ。Cランクが2つとDランクが参加表明しているわ。それに確認されたドラゴンは若いドラゴンなの。ドラゴンは歳を重ねるごとに強くなるって言われてるわ。だから今回のドラゴンに対しては多分余剰なくらいの戦力になると思うわ。もしアキーエちゃん達のパーティが参加するなら締め切らせてもらうわね。」


自分たちパーティを除いて6パーティが参加する事になるのか。

おそらく戦闘中にスキルを見る事ができるだろうから、あとはギルドカードを確認してスキル名を言って貰えば模倣できる。

3名以上がパーティになるから、20名程度はスキルを見る事がてきるかもしれない。

A.Bランクのスキルを見ることはかなりラッキーだな。戦闘中なら鑑定を使って怪しまれることもないだろうし。


実際は優先順位を決めて必要そうな物から模倣していくつもりだから、かなり時間はかかると思うけどそれでも模倣するのに時間短縮にはなるだろう。


「今回のドラゴンはランク的にAランクの下位よ。AランクパーティとBランクパーティが2つで充分お釣りがくるレベルだけど、ドラゴンに到着するまで体力を温存できるように、そこまでの戦闘はそれ以外の冒険者にお願いするわね。」


条件はさっきアキーエが言ってた内容と同じだな。


「わかった。それじゃその依頼受けさせてもらう。」


「あら。初めましてかしら?アキーエちゃんのパーティメンバーよね?私はイザベラよろしくね。」


どうしよう。名札はグレイソンだけどつっこんだ方がいいのだろうか?

しかし俺の危険察知がビンビンと反応している‥


「じゃあグレ‥イザベラさん。何日後の出発になるんだ?」


や、やばい。グレイソンって言おうとしたら物凄い殺気を放って筋肉が一回り膨らんだぞ。


「出発は3日後よ。2〜3日はかかると思うから、食料や野営の準備もしてきてね。」


「わかった。それじゃあ準備して3日後に。集合場所はどこだ?」


「集合場所は東門になるわ。それにしても貴方けっこういい男ね。年齢重ねたら私好みのナイスミドルになりそうね。」


「はは。ありがとう。それじゃ。」


うん。怖いよ。歳とったらここでは活動しないようにしよう‥

脱兎のように逃げ出し、市場付近にて今後の確認を行う。


「それじゃ3日後のために準備しよう。キリーエ傷薬とか消耗品お願いしてもいいかい?アキーエとミミウは食料。俺は野営品の確認と必要なら補充をするよ。」


それぞれが準備のために動き出す。

ミミウよ。保存食を買うんだぞ。その両手に抱えてるのは日持ちしないぞ。

あ、今食べる用なのね‥


俺はサミュウさんの所に寄ってしばらく作業場に来れない事を告げ、宿に戻り準備品の確認を行うのだった。

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