第56話

次の日のに早速サミュウさんのとこに向かう事にした。

朝からミミウが大量のホットケーキを作っていたのにびっくりして、キリーエが屋台の主人らしき人と真剣な話をしているのを見てもう一度びっくりした。


今日は1人でもよかったのだが、一度サミュウさんのところに行ってからその場で自由行動にする事にした。

何故か理由を聞いたらアキーエ曰く、何するかわからないから。だそうだ。

割と常識人と思っているのだが、解せぬ‥


サミュウさんのお店に着いたら、サミュウさんがすぐに出てきてくれた。


曰く、外で営業して来てもらう以外はあまり人が来ないからだそうだ。

何故か涙が出そうになった‥


持ってきた素材を作業場に持ち込む。

もちろんメインはミスリルだ。

それに鉄鉱石に木炭などの素材を持ってきている。

今回作成する予定のダマスカス鋼の素材である。【異世界の知識】でわかった素材なのだが、きちんとした製法は【異世界の知識】でもわからない。

わかる範囲としてはダマスカス鋼は鉄鉱石と石炭や生の木の葉などが必要になる。

それを一緒に溶かすのだが、それにミスリルを入れて魔力の通りと切れ味、耐久性を増せないかとおもっている。

勇者達の世界の技術ではあるが、ミスリルを入れてできるかわからない。

そこはスキル【剣匠】に期待だな。

はっきり言ってしまえば、かなりの高額なお金を使った博打である。


しかし‥

男のロマンである!

そしてスキル【剣匠】ができると言っている!と思う。


とりあえずこの場で各自、自由行動としそれぞれやりたい事をやってもらう事にした。


アキーエは本屋が幾つかあったそうなので、回ってからここに戻ってくるとの事。


ミミウとキリーエは市場に行くとの事だが、ミミウはわかるがキリーエは朝、屋台の人と話していた事に関係あるのだろうか?

うん。ちょっと悪い顔になってるから関係あると思う‥


皆んなと別れた後、作業場に戻ってくる。

サミュウさんは今日は夕方まで作業場は使用しないらしく今から自由に使わせてくれるらしい。


作業場の炉を使い、るつぼによる製鋼を行う。見事なインゴットを作成することができた。


今回作成予定の剣はロングソードになる。一発勝負だから慎重にいかなくてはいけない。


鍛造については料金がかかってもいいので、サミュウさんに手伝ってもらうことにした。

鍛造が1番重要な工程だと思っているので、ここで人の手があるのは非常に助かる。


1日で出来る物ではないため、作業場を借りれる時間をフルに使ってその日の作業を終わる。


予定としては20日間ほど作業場を借りて作っていくつもりだ。

実際は借りれない日もあるそうなので、もっと日数はかかるとの事。

その間は依頼を受けたり、スキルを模倣しながら過ごすとしよう。


本屋から戻り合流したアキーエと共に宿に戻ると、ミミウがホットケーキから生えていた。

いや、これは埋まっているになるのか?

どう考えても作り過ぎだとは思うけど、そんなに気に入ってくれたのならよかった。

キリーエは宿の主人と何やら交渉しているようだった。

「この宿の目玉としてホットケーキを出すなら、レシピの使用料を安くして提案すること‥‥」


ん。明日からは宿でもホットケーキを食べれるようになりそうだ。

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