第54話
翌日、朝から首都の市場に向かう事にした。
「よっしゃー!着いたぞ!それじゃミミウの希望である食べ歩きをしながら鉱物を探すとしよう。」
「やったですぅ!食べ歩きを楽しむために、今日は朝ご飯も少なめにしてきました!」
「少なめって?」
「朝のスープとパンとサラダを2人前しか食べてないですぅ。なのでもうお腹が空いてきました。」
少なめ‥
少なめの定義ってなんだ‥
「でも色々食べるつもりだったから、ウチやアキーエちゃんも朝は抜いてきたよ〜。」
やっぱり女性は皆んな食べるのか好きだな。実は俺も楽しみにはしてたんだけどな。
首都の南門付近にある市場は新鮮な物は早朝に売り出すが、それ以外にも屋台や露店などが並び、仕入れ以外でも需要があるため沢山の人で賑わっていた。
俺たちはさっそく腹ごしらえも兼ねて屋台を回る事にした。
驚いたのが、王都の屋台でアドバイスをしたポテトフライがすでに首都にあったことだった。
昔からあったのではなく、ここ最近出店される様になったとの事で王都で売れた事で、ここロッタスにも入ってきたようだった。
まぁ調理自体は簡単だしな。
こっちで売っている物を食べたが、やはり美味しかった。
首都の屋台は凝った物はやはり少なく、基本的には串に刺した物を焼いてそのまま食べる物が多かった。
しかし肉や野菜の他にほとんどは生で売っていたが、時々果物まで焼いて売っているのには驚いた。
バナーナが焼いて売ってあるのには正気を疑ったが、食べてみると意外に美味しい事にこちらが驚いた。
焼く事で甘味が増しており、獣人国のとりあえず何でも焼いてみようの文化を不覚にも見直してしまった。
気になったのは、小麦の粉を水で溶いた後に串に丸めてくっつけて焼いている物だった。
味付けは塩のみであったが、パンに近いものになっていて中々美味しかった。
しかし小麦の粉が売っているのか‥
「ミミウ。あの小麦の粉が甘くて美味しい食べ物になるって言ったらどうする?」
「粉を買ってくるですぅ〜!」
ダッシュで小麦の粉を買いに行った。他にも必要な物があるんだけど‥
もう見えなくなった。迷子にならないといいなぁ。
無事に買って戻ってきたミミウに小麦の粉以外に必要な物を伝えると、また疾風のように走って行った‥
しばらく食べ歩きをしていると、ちらほら鉱物が売ってある店があった。
気になる店に寄りながら目的の物を探しているとインゴットされていない鉱物の塊を置いてある店を発見した。
ほとんどが鉄や銅といった物、金の混じっている鉱物もあった。
そこでやっと見つけた。
小ぶりではあるが、俺が必要としている量としては十分である。
やはり希少な鉱物だけあってかなり高額な値段が表記されている。
「アキーエ。あの鉱物の判別をお願いしていいか?そして質的に問題がなければキリーエに値段交渉をお願いしたい。」
店にあった俺の目的の金属はミスリル。魔法銀と呼ばれる金属だ。
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