第48話
「いや、相談ゆーてもそんな大した事じゃなくてね。しばらくマルコイさん達と一緒に行動させてもらおうかなと思ってるんだ。」
「それは護衛依頼が終わった後もって事?」
「そそ。まぁ嫌じゃなかったらだけどね。マルコイさん達と一緒にいた方が楽しそうだし、何より儲け話が多そうかなって。本当は獣人国で仕入れをしたらエルフェノス王国に戻るつもりだったんやけど、こっちにおった方が商人として成長できそうやからね。」
なるほど。こっちとしては断る理由もないかな。商人としての知識もありがたいし、ツッコミスキルも高い‥
そして何より可愛い‥
セクシーさはないけど‥
おわっ!物凄い悪寒がするっ!
辺りを見回すと、アキーエの突き刺さるような視線でこちらを見ながら何故か石を拾っている。
とりあえず持ってる石は下に置きましょう‥
そしてキリーエを見るとジト目でこちらを見ていた‥
「お、俺はいいと思うけど、みんなはどう?」
「わたしは大歓迎よ。キリーエさんいろんな事知ってるし、相談ものったりしてくれるから。ア、アドバイスなんかもしてくれるしね。」
「アキーエちゃんはわかりやすいから。でも相手が凄いにぶちんやからな。なかなか手強い相手や。」
キリーエがクスクス笑いながらアキーエを見ている。何故かアキーエの顔が真っ赤になってる‥
そんなに恥ずかしい事を相談してるのかな?
「私も賛成ですぅ。もっと食べ物の事を教えて欲しいですぅ。」
ミミウさんは相変わらずブレません。
「みんな賛成みたいだな。歓迎するよキリーエ。これからもよろしくな。」
「よかった。こちらこそよろしくお願いします。でもウチは戦う事はできんから、みんなが街の外でモンスター討伐してる時なんかは街で商売してるから。もし必要な物なんかあった時は言うててくれたら格安で探しとくよ。」
「はは、心強いな。」
キリーエがいてくれると獣人国でもいろいろと助かるだろうな。
護衛対象から新たな仲間になったキリーエと共に獣人国の首都を目指す事となった。
「おー、あれが獣人国の首都ロッタスか。セイウットも凄かったけど、ここも凄いな!」
首都ロッタスも外敵から首都を守る為に高い外壁を造ってあった。
王都と違うのは、こちらの外壁に関しては異世界のお城に近い作りで大小様々石を敷き詰めて積み上げられている感じだ。
外壁に近づくと門番の人がいたのでギルドのカードを提示して首都の中に入る。
「キリーエが言ってた通り王都とはだいぶ違うな!」
街の中は王都でよく見かける木造の建物はほとんどなく、石を積み上げられたような家や建物がたくさんある。
しかし無造作に石を重ねているのではなく、規則正しく積み上げる事で建物の造形は美しい佇まいとなっていた。
それに何より獣人族の人がほとんどで、人族はそれこそ数えるほどだ。
すれ違う人の殆どが獣人で、耳や尻尾を見るといろいろな種族がいるようだ。
「まずは拠点となる宿を探すか?」
「それならウチが獣人国に来た時に泊まった宿にする?父親のお陰やけど、少しは顔がきくと思うよ。」
よし、拠点の確保の後は冒険者ギルドに行ってみるか!
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