第46話
「ははは。お前らも運が無かったな。この大盗賊のネリンド様の前を通ろうとするとはな。残念だが、荷馬車を置いていく事だな。」
1番体格のいい男がこちらを見ながら声をかけてくる。
あの男がリーダーか。
リーダーをサクッと行動不能に出来たら他は大人しくなるだろうか?
しかし相手を戦闘不能にするのに梃子摺ると囲まれてしまうし、アキーエたちを危険に晒してしまうかもしれない‥
荷馬車を背にしてとりあえず様子を見るべきか‥
「お前らも出てこい!」
ネリンドと名乗った男が声を上げると、茂みの中から2人の男が出てくる。
街道にいた3人と合わせて5人か‥
う〜ん、ネリンドはデカい斧を構えてて厄介そうだが、他の4人は弱そうなんだけどなぁ。
2人くらいナイフをペロペロしてるんだけど‥
「どうだ?これだけの人数に囲まれたら諦めるしかないだろう?今なら荷馬車を置いて逃げれば見逃してやるぞ?」
俺とミミウで敵を捌きながら、アキーエの魔法を放って少しずつ敵を減らしていくのがベストかな。
ミミウとアキーエに耳打ちして、荷馬車を後ろにして構えをとる。
「な、なんだ?まだやろうってのか?」
ん?何か焦ってるような気がするな‥
とりあえず相手のスキルを鑑定して確認してみるか。
ネリンド
スキル【腕力Lv.2】
ん‥?あれ?
他は【大工】【器用】【気丈】【握力】
‥‥‥リーダー以外に戦闘に向いてるスキルを持ってる人がいない気がする。
「仕方ない。じゃあお前らが諦めるように俺のとっておきを見せてやろう。俺は過去、冒険者としても
活躍していた。しかもCランクだっ!」
ネリンドはギルドカードを掲げてみせる。
名前のところを持っているので名前の確認はできないが‥
冒険者ランクC
【斧士Lv.7】
うん。あれ自分のギルドカードじゃないな‥
ギルドカードに載っているスキルと鑑定で確認したスキルが違っている。
もしかして彼らは脅す事で、戦わずして盗賊行為を行ってたんじゃないか?もしかしたら‥
「そうか。奇遇だな俺たちもCランク冒険者だ。お前たちのような盗賊から護衛する為に雇われてるんだ。全員道連れでも倒してやるぞっ!」
各自戦闘体勢をとり、相手を威嚇するような態度をとる。
俺の考えが間違ってなければ‥
「く、くそ。‥き、きょうの俺は機嫌がいいからな。しょうがない何も取らずに通してやるとするか。それじゃ野郎ども帰るぞっ!」
彼らは蜘蛛の子を散らすように去っていった。
‥‥‥な、なんだったんだ。
詐欺まがいの盗賊だった。というか彼らは本当に盗賊だったのか?
獣人国に入ったのに、全員人族だったし何らかの理由でエルフェノス王国から逃げてきた人たちなんだろうな。
盗賊?を追い払ったのでしばらく警戒した後に先に進む事にした。
「そういえばマルコイさん。さっきギルドカード見てたけど、模倣ってできたの?」
キリーエが興味津々で聞いてくる。そういえば説明の時に詳細は省いてたな。
「いや、ギルドカードでスキルを確認してから、実際に使用してもらった後に本人の口からスキル名を言ってもらわないと模倣出来ないんだ。」
「そのギルドカードってどのギルドカードでもいいの?例えば商人ギルドのギルドカードとかは?」
え?なんですと‥?
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