第45話

予定より少し日数がかかったが、20日ほどで国境に着くことが出来た。

国境では俺たちは冒険者ギルドカード、キリーエは商人ギルドカードを提示して国境を超える事が出来た。


「ふーん。国境越えたからって何か変わるわけじゃないんだな。」


「それはそうでしょ。国境の壁越えたら一面雪景色でしたなんてあったら、誰も国境越えようなんて思わないわよ。流石に生活環境変わり過ぎでしょ。」


アキーエが呆れ顔で言ってくるが、国境越えたら建物の造りが違ったりとかちょっとだけ変化を期待してただけなんだが‥

思ってることのスケールがでかいな‥


「流石にそこまで思ってなかったけど、建物とか少し違うかなって。」


「獣人国に行けば少しは違いますよ。ウチも父の手伝いで数回しか行ったことないですけど、石造りの建物が多かったりしますよ。」


流石商人だな。

俺たちは初めてだから、いろいろとキリーエに教えてもらうとしよう。


「食べ物も違いますか?美味しいですぅ?」


ミミウは相変わらずブレないな‥


「王国と違って、そこまで調理に力を入れてませんね。でも素材の味がいいと思うんですが、美味しい料理も多いですよ。」


あ、ミミウの涎が‥


「じゃあ早く街に行くですぅ!」


「そうだな。さっそく次の街に行くとするか。獣人国は治安とかどうなってるんだ?」


「あまり良くないですね。首都や街は大丈夫ですが、街道なんかは盗賊とか出るみたいです。ここからは商人は護衛がいないと進まない方がいいって言われてます。」


盗賊ね。ここまでの道中はモンスターが数回襲ってきたくらいで盗賊なんていなかったからな。

気を引き締めていかないと。

今まで以上に警戒して進む事にした。


次の街まであと1日程度のところでミミウが遠視で人影を発見する。


「マルコイさん。何人か街道の真ん中でこちらを伺ってるみたいで、あと茂みにも何人かいるみたいですぅ。」


「茂みに隠れてるなら、ほぼ盗賊で間違い無いだろうな。」


ふとアキーエを見ると杖に魔力を溜めてらっしゃる‥


「アキーエ‥何をしてるのかな?」


「え?ここからまとめて魔法でぶっ飛ばしてしまった方が早くない?」


う〜む。アキーエの言ってる事も一理ある‥


「よしっ!アキーエさんやってしまいなさいっ!」


「あかんあかんっ!なんでそうなるんっ!もし旅の人とかだったらどうするんですかっ!」


あら?キリーエさん意外と常識人。

もちろん冗談で‥


「跡形もなく吹っ飛ばしたらわからないわよ。」


アキーエさんは本気でありましたか‥


「とりあえず警戒して進もう。ミミウ、茂みに隠れてる人が弓持ってるかもしれないから注意してくれ。」


「わかりました!」


街道いる人が認識できたあたりで、向こうから声をかけてきた。


「おうおう。悪いがここを通るには通行料払ってもらおうか?そこの荷馬車でいいぞ!」


うん、やっぱり盗賊でした。

吹っ飛ばした方がよかったかも。

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