第44話
「あ〜あ、もう異世界に来て1年近くなるよ〜。でも甘酸っぱい思い出とか物作りチートとか全然できてないんだけど〜‥」
あやめ達は異世界に来て1年近くなるが、ほとんど神聖国で過ごしており誰かの監視下での生活を余儀なくされていた。
「エルフェノス王国に行く事になった時はやっと私の知識の出番だって思ってたのに、すぐに蜻蛉返りになるんだもん。せっかく異世界召喚された時の為に米の作り方とか味噌や醤油、いろんなのを覚えてたのに神聖国には原材料が全くないんだよ!お米食べたいよぉ〜‥」
「あやめちゃんそう言えば、いつか役に立つって一所懸命覚えてたね‥」
確かに和食食べたいなと思っている恵の元にガーノスと正人達がやってくる。
「まだモンスターが動く様子はありませんね。もうしばらく様子見して魔族や魔王の動きがなければそのまま討伐に動くようです。」
ガーノスの言葉を聞き、恵は言い表せない不安を感じながら外を見つめていた。
「ねぇマルコイさん。他に何かお金になりそうな話はないの?」
キリーエが契約をまとめる為、1日村に滞在した後に獣人国に出発した。
道中で米で成功した(本人曰く確実らしい‥)事で俺の知識にお金の匂いを感じたらしいキリーエが聞いてきた。
「あるのはあるけど‥何か見かけたら教えるようにするよ。でも教える代わりに品物とか少し安くしてくれよな。」
俺が覚えていた知識ではなく突然手に入れた知識なので教える事にそれ程抵抗はないのだが、少しくらいは俺たちにもメリットがあればいいなと思ってしまった。
「何言ってるの?米の件もそうだけど、ちゃんとマルコイさん達に商品の使用料は払うよ。今回の米は最初に教えてもらった道具の料金をまとめて渡すけど、お客に買ってもらう商品とかだったら売れた分の1割程度は渡すつもりだよ。」
「え?そうだったの。」
「もちろん。ウチはお金儲けさせてくれた人との繋がりは大事にしたいからね。特にマルコイさんとの繋がりは大事にしたいと思ってるからね〜。」
はは。やっぱりキリーエは信頼できる。
お金が絡んだら特にだけど。
「マルコイ。キリーエさんには伝えてもいいと思うよ。」
アキーエも同じか。俺もいいんじゃないかなと思っていた。
「キリーエ。話してなかったけど、実は俺のスキルは【模倣】って言ってさ。」
俺はキリーエに自分のスキルの事と、勇者たちの事は伏せて【模倣】スキルの副産物として別の世界の知識を得る事ができたと話をした。
「マルコイさん!凄い‥凄いな!この世界にない知識をまだまだ持ってるってことなんや!」
話を終えるとキリーエが抱きついてきた。
「ウチはついてる!最初に護衛してもらった人がこんな凄い人やったなんて!マルコイさん何か思いついたり商品に出来そうな物があったらいつでもウチに言ってや!」
「わかった。これからもよろしくな。」
う〜ん、女性の身体は柔らかくて気持ちがいいなぁ。胸の辺りがもう少し柔らかかったらなぁと思っていたら魔力を杖に込めているアキーエと目があった‥
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