第37話

「わたしは賛成。」


アキーエは迷いもなく賛成してくれた。

アキーエは属性魔法の系統進化を目指すなら、モンスターと戦う機会が多い王都を離れるのは嫌がると思ってたけど‥


「いいのか?アキーエはてっきり王都に残りたがると思ってた。」


「属性魔法の系統進化を目指したいのは本音よ。でもそれと同じくらい自分を守る術を得たいと思ってるの。」

「わたしは魔法という攻撃手段はあるけど、それ以外は誰かに守ってもらわないといけない。でもわたしが自分の身を守れるなら2人とも前衛として戦えるでしょ。」


なるほど。確かにアキーエの言うことも一理ある。

アキーエは魔法使いだが、鈍いわけじゃない。身体能力系のスキルを持っている人に比べると劣るかもしれないが、素の身体能力は立ち回りを習得すれば、戦えるまではないにしろ攻撃を避ける位置取りを意識して動けるはずだ。

ナイスなぼでーも放てる事だし‥


しかしそういったパーティの攻撃力を上げる方法もあるか‥

さすがアキーエだな。


「ミミウはどうだ?」


「私も戦闘術に長けた獣人国に行くのは賛成ですぅ。タンクとして、もっと的確な動きが出来るように盾士のレベルだけじゃなくて立ち回りも勉強したいですぅ。それにアキーエさんが言っていた、私も積極的に戦闘に参加するのであれば、ハンマーでの戦い方ももっと学びたいですぅ。」

「あとシュワシュワドリンク飲みたいですぅ。じゅるり‥」


うん。最後がなければ決まってたけど‥

とりあえずハンカチハンカチ。


よかった。いくらパーティとはいえ俺の目的だけで動くのは申し訳なかったし、アキーエは魔法の習得、ミミウは屋台があるからあまり王都を離れたくないだろうって勝手に思い込んでいたな。


「わかった。それじゃ次の目的地は獣人国に決まりだな!」


「そうね。」「頑張るですぅ!」


「でも出来ればBランクまで冒険者ランクを上げてから移動したかったところだけどね。」


「それは獣人国に行ってもあげられるでしょ?」


「いや、やっぱりBランクって言うと獣人国に行った時に扱いが違うかなと。あと獣人国のギルドの受付嬢の見る目が、がふっ」


アキーエ‥

まだ全部言ってないのにナイスぼでー‥




「ところで話は変わるけど、魔族との戦いの途中からマルコイ別人みたいに強くなってたじゃない?あれについて説明してくれない?」


まだプルプルする脚を叩いて力を入れた後、椅子に座って魔族との戦いで起こった事を話す。


「あ〜あれね。強さ自体が上がった事については説明できるんだけど、なんでってのが説明できないんだよね。」


「どう言う事?多分スキルが関係あるんだろうなっては思ってたけど、マルコイが模倣したスキルで急に強くなるようなスキルはなかったはずだけど、それでもやっはり模倣スキルが関係あるの?」


「その件については、少し思うところがあってさ‥」

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