第36話

「俺たちがCランク?」


「はい。もともとバーントからCランク相当の実力はあると聞いていましたが、ランクアップするきっかけがなかったので。今回の功績でスムーズにCランクに推薦する事ができました。」


(ん〜、あれは【勇者】の力を借りてやった事だしな‥いいんだろうか?)

そんな風に思っているマルコイにサベントが話を続ける。


「Cランクに推薦したのは魔族と戦う前までの功績です。魔族を単独パーティで倒したとなればBランクいやAランクにも推薦したのですけどね。」


それなら話は違ってくるか。魔族が出る前までは単純に自分たちだけの力だったしな。

まぁ模倣スキルも自分の力である事は変わりないから判断に困るところだけど‥


「それじゃありがたく昇格させてもらいます。」


サベントは笑顔を顔に貼り付けたまま話を続ける。


「ところでマルコイさん。魔族相手にも大活躍だったみたいじゃないですか?『折れない翼』が到着する前に魔族は満身創痍だったらしいですね。」


「あれは魔族が油断してくれたからですね。その後にボコボコにされましたから。」


「ふ〜ん。確かに瀕死だったらしいですね。今は元気そうですけど。」

「まあいいです。王都が守られたのは確かですし、まだ話してくれないって事は秘密を教えてくれるのはもう少し先になりそうみたいなので。」


「はは。ありがとうございます。」

「あとこちらからもサベントさんに報告があります。」

「俺たち王都を離れようと思ってます。」








昨晩の事


「第2回!今後何をやっていくのか決めましょーう!」


「いえー!」


俺とミミウがアキーエを見る。


「わ、わかってるわよ。い、いえー‥」


「よしっ!真っ赤になったアキーエも見れた事だし会議を始めよう!」


アキーエの可愛いオデコに青筋が立ってる。


「今回魔族と戦ってみてどうだった?」


「まったく歯が立たなかったわ。」


アキーエは自分の魔法が全く通用しなかった事を思い出しているのか、とても悔しそうな顔だ。


「私も簡単にあしらわれましたぁ‥」


ミミウもいつもの元気な感じではなく申し訳なさそうにしている。


「だよな。俺も正直あそこまで差があるとは思ってなかった。スキルも手に入れた事で増長してた。強いやつはたくさんいる。俺たちはまだまだ弱い‥」

「もっと強くならないとな。俺はもっと模倣スキルのレベルを上げたいと思う。」


「わたしは属性魔法を系統進化させたい。」


「私も盾士を進化させたいですぅ。」


2人とも強くなりたい思いは一緒でよかった。


「そこで相談なんだけど、獣人国に行かないか?」


「なんでいきなり獣人国になるの?理由はあるの?」


「獣人国は力があるものが国を統べるとこだからかな。強い者が正しいって考えだから、王都よりも模倣スキルを使いやすいと思うんだ。多分自分の力を誇示する人が多いと思うしね。模倣スキル自体は借り物の力って思われるから秘密にしないといけないとは思うけど、模倣できるチャンスは王都よりも多いと思う。スキルを統合するためにも多くのスキルを模倣したい。」

「でもこれは俺のわがままだから、2人の意見を聞きたいんだ。」

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