第6話
突然頭の中に響いた声に理解が追いつかない。どんなに待ち焦がれても得られなかった物が、突然目の前に現れた。
訳が分からな過ぎて、思考が追いつかないでいる。
「どうしたのマルコイ?突然ボーッとして?いつもは眠そうな目がこれでもかってくらい大きくなってるんだけど?」
アキーエの声で我に帰る。眠そうな目は余計なお世話だったので、後でエッチなイタズラでお返ししてやる。
「アキーエ、話がある。」
「どうしたの?突然真面目な顔して。わかったわ。でも笑顔もいいけど、そっちも‥‥」
後半は聞き取れなかったが、了承してくれたのでアキーエとギルドに戻り、隅のテーブルに移動する。
「発現した。」
「なんのこと?まさかスキルがっ」
大きな声を出そうとしたアキーエの口を塞ぐ。
「別に隠す訳じゃないけど、そんな大きな声で俺のスキルを宣伝しないでくれ。」
「わかったわ、ごめんなさい。」
アキーエが申し訳なさそうな顔をする。
「ごめん、ごめん。アキーエも一緒に発現する努力してくれたんだから、そんな顔しないで。」
「ありがとう。それでスキルはどんな効果なの?」
俺は自分のスキル【模倣】を確認する。
マルコイ
スキル【模倣Lv.1】
模倣スキル【属性魔法:火】
「多分アキーエの【属性魔法:火】を模倣したみたいだ。」
「ほんとに?凄いじゃない」
「でもなんでいきなりスキルが発現したのかがわからない。今までと何か違う事をしたのか?」
自分の行動を振り返ってみる‥
「わかった、ギルドカードだ‥」
「え?」
「新しく自分達が得た物といえばギルドカードだよ!」
「でもおかしくない?ギルドカードだったとしても模倣したのは【属性魔法:火】だけでしょ?もしギルドカードが発現のきっかけだとしたら、なぜ【判別】は模倣しないの?」
(ピコーンッ)
『模倣スキルを発現しました。【判別】を模倣しました』
「アキーエ。」
「なに?」
「今、【判別】も模倣した。」
「え?なんで急に?」
「アキーエありがとう。条件が多分わかったよ。おそらくスキルカードでスキルを確認して、そのスキル名を本人に言ってもらう事が条件だと思う。」
俺の身体に火が入った!(【属性魔法:火】を模倣しただけに)ドヤっ
「アキーエ!スキルカードも貰ったし、さっそく村の外に行こう!スキル【模倣】を試してみたいんだっ!」
「わかったわ。あ、相方が強くなるのは、う、うれしいもんね。あ、相方がね‥」
なにかアキーエがモジモジしているが、今はそれどころじゃない。
俺は今から最強の階段を駆け上がるんだっ!スキルをダブルどころか、クインティプルでもディカプルにでもなれるんだ!
俺はこの力で、勇者にも英雄にもなれるはずだからっ!
マルコイ
冒険者ランクE
スキル【模倣Lv.1】
模倣スキル【属性魔法:火】【判別】
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