第3話

とりあえずスキル【模倣】の検証ため、わかりやすく【属性魔法:火】を使用してもらうことにした。



「いっくわよー!」

アキーエが火魔法を使う。アキーエの持っている木製の杖から直径10センチほどの赤い球がでる。



「火球っ!」

周りに被害が出ないように空き地で行っていたが、火の玉が空き地にある岩にぶつかると、なかなかの音がした。



「どう?」

と聞かれ、マルコイは頭の中で自分のスキルを思い浮かべる。



「だめだ、何も思い浮かばない。」

「やっぱりスキルをみても模倣できないみたいね。まあいろいろ試してみましょう。」





それからさまざまな方法を試した。火魔法を使う感覚を教えてもらったり、発動する時に一緒に杖をもったりした。

手を握ってドキドキもした。



もちろん自分の身体に火魔法を受けてアフロになったりもした。

アフロとは10年ほど前に王都で流行った髪型である。



しかしスキルの効果が発動することもなく、やや諦めていた。そして暗い面持ちでいる俺にアキーエは声をかけてくれた。



「マルコイ、私と一緒に冒険者になりましょう!」アキーエは俺を励ましてくれ、一緒に冒険者になろうと言ってくれた。



この大陸にはモンスターと呼ばれる、種族を襲ってくるもの達がいる。

人型のモンスターもいるが話は出来ず、種族を見かけると問答無用で襲いかかってくる。

そんなモンスターを倒して一攫千金を狙うのが冒険者と呼ばれる者達だった。





「マルコイはガッチガチに鎧で固めて、デッカい盾を持ってモンスターの前にいればいいわっ!そしたら私が後ろから火魔法でモンスターを焼き殺してやるからっ!」



そんな言葉をアキーエはかけてくれた。

多分それだと俺もこんがりなりそうだが、アキーエの言葉がとても嬉しかった。

そうとても嬉しかった‥



「ありがとうアキーエ。俺もスキルなしでも強くなるから、ずっと一緒にいてくれ」

「ず、ずっとって‥あ、あたりまえじゃない!あんたみたいな変人は私しか合わないんだからっ!心配しなくても一緒にいてあげるわよっ!」



そんな事を赤い顔をしてモジモジしながら言ってくれるものだから、とても嬉しくて嬉しくて彼女を抱きしめたく近づいて両手をまわそうとしたら‥

腹にぼでーが刺さった。げせぬ。




そしてマルコイとアキーエは冒険者になるため、模倣スキル発現のきっかけともなるギルドの門をくぐるのだった。

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