第14話 三浦 渚 1
翌日、俺は朝一番爽に会いに来た。昨夜も様子見かお風呂の介助が必要そうなら手伝うつもりだったけど、蓮に酷く引き止められたせいで叶わなかった。いくら寂しやがりとは言え、ちょっと部屋から出て行こうとするだけでああなるとは……。
なので今日は蓮がまだ寝ているうちに会いに来た。
「爽~ケガ大丈夫?」
「あっ、真琴おはよう!何度も言うけど、そんな心配するものじゃないよ。ほら、ピンピンしてる」
「風呂とか大丈夫だったか?」
「骨折とかじゃないんだから大丈夫だって。それに渚がいるから」
後ろの方を指さしたのでそちらを見ると、三浦渚がこちらをじっと見つめていた。超偏見だけど、渚ってチャラそうな名前なのにあいつは真面目そうだ。寡黙なイケメンか……楓の相手にいいな。
蓮は束縛酷そうだし、爽はいいやつだけどチャラそうだから楓とエンディングを迎えるなら三浦が良いな。ちゃんとしてそうだし、いざというとき守ってくれそう。楓が恋するならこんな男が良いな。安心できる。
「なに?」
「えっ、あっ、ごめん見すぎた。いやーイケメンだなーと思って」
警戒心を持たれないようへらりと笑って答える。見つめてしまうのはダメだっただろうか。
「そう怖い顔するなって渚。昨日、真琴に興味持ってたじゃん」
「怖い顔してない。元からだ」
「元からか」
「……三浦渚、こいつのルームメイトだよろしく」
爽をやんわり押しのけて手を差し出してくる。座ってる時しか知らなかったけど……わぁ、背が高い。二メートル近くありそう。
「真希真琴。三浦と同じクラスにいる真希楓とは双子」
簡単に自己紹介をして握手を交わす。
「渚でいい」
「へっ?」
「呼び方、渚でいい。爽のことも名前で呼んでるから俺も、名前」
「あっ、うん、分かった渚」
「ん」
三浦渚、意外と強引でマイペースだな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます