第6話 出会い 1
荷解きやらなんやらで、意外にも慌ただしく終わった初日。ディスプレイを触る気力も残ってないほどだったので、今から確認するのだが……。
「マジか」
ディスプレイには『真希楓への好感度【100】真希真琴への好感度【120】』と表示されていた。まさかの【+170】の爆上がり具合に呆気に取られる。
おかしいだろ……名前呼びしただけでこんなに好感度が上がるか普通。いや、上がったらバッドエンドを回避できるからいいんだよ。でもさ、俺は結構な嫌がらせをしてたみたいだしゴミを見る目で見てきたのに、たった一日でこんなに上がるのはバグとしか思えない。
「なに?」
「な、なんでもない!」
信じられないせいで、つい蓮をまじまじと見てしまっていたことがバレて睨まれてしまった。んーやっぱりバグなんじゃないかなぁ……。あの態度は好感度【120】のキャラがするものじゃない。眼差しは冷たかったし、雰囲気だって話しかけてくるな感が半端ない。
やっぱまだ嫌われているんだと思い、さっさと準備を終わらせて部屋から出ると。
「どこ行くの?」
「どこって食堂だけど」
「……一人じゃ迷うから連れていってあげる」
申し出は大変ありがたいけど、さすがに一回行ったから少しは道順を覚えた。それに今の時間なら食堂に行くやつが多いだろうし、分からなくなったら誰かについて行けばいい。蓮も二日連続で俺のお守は嫌だろうし。
「無理しなくていいぞ。それに昨日蓮に道教えてもらったから大丈夫」
「方向音痴が一回で道を覚えられるわけがない。どうせ迷うだろうから一緒に行ってあげる」
「別にいいって、一人で行けるから」
「……」
黙って不機嫌な顔をしている蓮から逃げるように部屋を出る。このままいたら好感度が下がってしまいそうだから。
「あ」
一歩踏み出した瞬間、隣から声がしたのでそちらに目を向ける。そこには空色の髪をしたイケメンがいた。こいつ絶対攻略対象だ。
俺の直感がそう告げてくると、目の前に勝手にディスプレイが浮かび上がってきた。
『
へー同じクラスなんだ。そんな普通の感想を抱いていたが、次に浮かび上がってきた文章に絶句する。
『真希楓への好感度【0】真希真琴への好感度【100】』
「…………は?」
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