第25話 ハウス
設置ではなく家具配置モードにしてハウスを召喚。
ゲームだとモニター側の壁二面は無いものとして表示されていたが、現在自分の周囲に壁四面が現れ、そのうち一面は出入り口ポータルとして扉とその床の一部が淡い光で点滅している。
「現在の魔力値はゼロか」
モルタルの打ちっぱなしのような灰色の床と壁、
課金で購入する家具はひとつで魔力値80~200はあるが基本一ヶ月で消える。 それは納得の上なのだが、色やデザインが欲しいものを必ず得られると限らないのが嫌な点だ、特に高数値なものは「ガチャ」をまわすとかな……
途中で運営が代わったのはそのようなユーザーに反感買う真似仕出かしたからだろう。
低魔力値でもイベントで配布された無期限家具が残ってていくつか残ってて良かった。
木箱…最近は見る事の少なくなった「リンゴ箱」と言った感じのモノが三箱、それと木製ベンチ…背もたれの無い縁台といった感じのシンプルな奴が二脚、花瓶とか傘立てに使うひざくらいの高さの壺がひとつ。
これらあわせて60ポイント程度
ハウスの最低機能である倉庫の出し入れサービスを利用するにはステージ1の200ポイントを満たしていないと発動不可である。
今はハウスの設置できないから家具の配置をゲームと同じく扱えるかのテストだが……結果を言えばゲームと同じだった。
半透明の家具を指差すだけで重量が無いかのようにスッスッと移動出来た。
固定フィクスを指示すると半透明状態から通常外観…いわゆる実体化して床上に設置される。
「ゲームだと家具はただの飾りで、椅子に座ったりベッドに寝そべったりは出来なかったんだよな」
ゲーム内で実体化した家具はその機能は付与されてない、設置指示した範囲を床に投影された影の形で表示して家具が重ならない目安でしかない、そして室内移動する際は立ち入り制限する
「強度は設定されてるかな」
壁際に木箱を置いてその上に上れるか試してみたが、軋みもがたつきもない。
「数をそろえてベニヤ板をいくつか重ねれば簡易ベッドに使えるかな? ベニヤ板がこの世界で市販されていれば楽なんだが」
もっとも木箱にベニヤ板敷いただけで布団無しだと寝起きは筋肉痛でろくなもんじゃないが。
家の魔力値の為には家具はいずれ必要になる、今のところベッドとソファは購入するか。
「ゲームと異なるのは移動ポータルの数が増えているな」
ゲームだと入り口に
ところが今家具配置の試験をするためにハウスを召喚したのだが、部屋の中に入って確認したら移動ポータルが三つに増えている
ひとつは今まで通りの玄関相当の位置。そこから見て右奥と左奥の床にリング状光が回転している。「作業室行きと機能分割になったのか?」
とりあえず無期限家具の木箱とベンチと花瓶を部屋の隅に実体化・固定して魔力値80をキープ、新しいポータルの行き先確認をする
「予想外だったが、考えてみたら『住宅』なら付いてて不思議じゃないな」
入り口から見て右奥の転移先は木製風呂桶と壁に掛かったシャワーヘッド、それと洗面台。
「ゲームだと入浴などの容量食うスプライト実装するわけないしな」
シャワーの
たしかゲーム開発会社は台湾の会社だったか、日本と馴染み深い生活環境だったと思う。部屋に入る時に靴を脱いだりせずベッドで就寝するまで土足なのが西洋風くらいか。
バスルームと反対のポータル先はトイレで洋式便座、残念ながらウォシュレットではなかった。慣れると用足し後の気分が違うんだよな
『ハウスのレアリティが上がればフロ・トイレの設備も格が上がるし移動ポータル先も増えるアルよ』
「わっ、びっくりした」
忘れてたけどガイド機能は生きてたのか、つか声に出してなかったと思うが『心を読む』のはやめてほしい
「レアリティとはあれか、ビューティハウスとかゴージャスハウスと呼ばれていた奴か?」
『ハウスはサイズにより6段階に拡張されるアルね、現状は最低ランクの『ミニ』アルよ。』
最低の一言は余計だ、事実だけどな
「
『ハウスレベル上げというか、その前に機能使用可能にするにはロック解除の手順必要アルね。現在の『ミニハウス』なら設置する場所の「土地所有権」を得ること。これで初期の
俺はうなづいて説明の続きをうながす。
『
ハウス設置して『実体化』が済めば【マイホーム】土地建物の初期設定完了となるアル』
「ちょっとまった、いま『上位世界』とか『この世界』と言ったか?」
『あなたが『地球テラン』の出身でここエディンと別世界から来たことは把握してるつもりアルね』
「何故この世界に来たのか、いや、元の世界に戻れる事は出来るか?」
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