第23話 インターミッション
月影湖からグリンワルドまで徒歩で2時間、騎乗獣があれば初級で15分弱で行ける、クエストでもらえる見習い用魔法生物「ミニピグ」でも30分かそこらで移動できる。
餌としてマナを注入したソフトボールサイズの専用餌を一日一個与えるだけで済み、使用しないときはブレスレッドに
封印石に仕舞ったままでも一日一回の餌やりは忘れてはいけない、『親密度』と言うパラメーターが下がると有る数値以下に下がっていた場合、召喚と同時に逃亡する事があるからだ。
これらはグリンワルドに戻った時、ロバート達にクエスト報酬としてミニピグとブレスレッドが贈与された時に騎乗動物担当の職員が注意点として話してるのを聞いて知ったゲームとの相違点。
ゲームでは「騎乗動物が魔法生物である」と言う設定は有ったが、その世話など全然無かった、そりゃゲームでは課金ガチャが主流で、そのアイテムが「逃げる」なんてわざわざ設定してクレームの元作るアホな開発居たら減俸で済まないと思う。
『親密度』のパラメーターが設けられているのは「ペット」と呼ばれる
この世界で課金アイテムと同じ品物が手に入るか早いうちに確認しないとならないのだが、NPCであるゲイルがペットを持っていたのを目撃したので類似のアイテムはあるだろう、あってほしい。
ロバートのランクアップクエストと平行して月影湖で増えすぎた雑魚モンスター討伐の褒賞と素材を売却して得た報酬は一人当たり銀貨110枚(内訳は討伐褒賞が1種でひとり銀貨3枚、ボス素材が銀貨300枚を6人で山分け、雑魚素材が2000ポンド(約900kg)でボス素材と同程度の額)
「ふふふ、雑魚でも数あるとボスと同程度儲かるんだな」
「いや、ふつー
「うちらは月影湖では初めてだけど、あそこで狩りしてるPTの狩りの平均はひとり銀貨8枚あればよい方だと職員の人があきれてましたよ、適正レベル卒業してるんじゃないかと」
クエスト達成の報告の後、素材売却所からずしりと膨らんだ皮袋をリーダーが受け取り協会の冒険者PT用ブースで分配、各人の前に10枚ずつ積んだ銀貨の塔を眺めてみんなホクホク顔。PTプレイの楽しみは成功した狩りのあとのえびす顔を見ることが出来ることだ。
このまま彼等と一緒に狩りを楽しむ事が続くならそれに越した事は無いが、「監視者」だけでなく協会の職員にも適正レベルで苦言を言われるのは彼らにも迷惑が掛かる。
もっとも今回は協会からの指名依頼と言う事でロバート達には何の罪も無いが、この後も一緒の行動だと狩場荒らしの悪評が出かねない。
「このあと俺は協会の人との話し合いに呼ばれているのだが、たぶん以後ロバート達との一緒の狩りは出来ないと思う、縁を切ると言う訳じゃないし、街での付き合いまで禁止されないと思うがパーティーとして今のうちに話しておきたい事とかないか? 」
いずれ
「ベルさんの今後の予定とかは聞いてもいいですか? 」
数秒ほど仲間と顔を見合わせたあとロバートが代表して尋ねた
「まずは
最終的にはALO(天使の掟)に似た世界からの出口を探す事だが、彼らに話す事柄ではない。
「
ああ、さっきあの
クランは狩りや採取、生産活動を恒常的にともに行動する冒険者の集まりで、
勇者と一緒に行動するのは、所属をホーリーライトに移すのかウッドワースに置いたまま一時的に協力するのかを選ばないとならない。
「俺としては勇者さまと行動するのは厄介な事が押し寄せると予想できるし避けたいところだが、冒険者協会に勇者さまがどれだけ『お願い』をしているかによるな」
ゲーム初期のレベルキャップ55に設定されているならレベル100超えの
ペットに頼らないとダメと言うのは情けないが、魔職は囲まれたら詠唱潰されてしまうので仕方ない。
前衛職はガチの殴り合いならスキルで弾き飛ばしてポーション連打でソロでもいけるが、レベル100超えの身で装備の修理代や回復薬の費用考えるとボス倒して得られるドロップアイテムの売却はレア品でとんとん、ノーマル武具や薬品程度だと赤字である。
ボス部屋に行くまで出てくる敵も中ボス程度なら3分くらい、雑魚は範囲魔法使えば瞬殺だが、中には倒された瞬間自爆して近くのプレイヤーにダメージ行く敵が居るので勇者のレベルが幾つかわからない状況では「雑魚は倒したが勇者も巻き込まれて倒れました」はシャレにならない。
勇者の使命が『地下魔城に行き、そこの魔王を倒すまで』なら協力できる、勇者にありったけの補助魔法と回復を掛け続けて止めを刺すだけなら今すぐ城に行く事で達成できるが、それはあらゆる手順をすっ飛ばしても良い―――魔王が出現し、地上侵攻の尖兵が各地で人類域を脅かしている事が各国の共通認識として意識され、侵攻ルートの根源地を割り出し、出口に各国の軍が魔王軍と対峙している戦況を作り上げた上で少数精鋭部隊(勇者PT)が逆侵攻ルートを切り開きつつ中途中途にある程度の規模の部隊を置き、退路を確保しつつ前進―――いわゆる軍事的常識とかを気にしなければ、と言うことだ。
いまはまだ『
場所だけ教えて「はいおしまい」とは行かないだろう、現地まで同行頼まれるのは予想される……まぁ、入り口だけわかっても鍵となるアイテムの無い状況では行き止まりなのは確実だ、それにモニター越しでなく自分の目で行った訳ではないので二次元と三次元での相違点も知らない。
ゲーム通りならキーアイテム集めを知ってるから手伝いは出来るが、マップ移動を何度もしなければならない、騎乗動物使えるなら移動時間は徒歩に比べて格段に縮められるとしてもめんどい。
それはともかく、ログアウトして寝る事叶わないから宿にたどりつけられなければ野営する事となる。
……うん、当初の目標「料理スキル」を獲得する必要性があるな。とりあえず生産ジョブスキル枠を解放することが先決だが……
「俺の居たところでは『保持できるスキルは6つまで』と定められていたのだが、ここではそれ以上持つ事可能だったっけ?」
最初に会ったときの自己紹介で彼らが狩り時の戦闘技能と生産職の技能を持つ事聞いてはいたが、何処でどうやればその技能の制限枠を取り払うかまでは確認してなかった。
「親父の話では冒険者登録して依頼をこなすたびに「コツ」とか「カン」を感じるようになって『今持って居る技能』を上げるか『他の技能』を習得するか選べるようになるらしい、自分のときは協会でレベルアップのとき告げられたので実感としてあまり感じないけど、生産の練習するときの失敗が技能習得以前と比べて減ったから効果は確かにあると思う」
ゲームだと「ジョブスキル入れ替え」は特定の施設で課金アイテム使用、しかも元に戻すのも課金、て仕様だったがロバートの話を聞いた感じでは狩りと生産(の練習)とではそんなに意識して切り替えて無いようである。
「ジョブスキルの習得はどこでやっているんだ?」
「「「「えっ」」」」 ケットシーのアイリス以外の声がきれいにハモった。
「冒険者に登録して訓練所で習熟する以外の方法は無いと思いますが」
それ以外の方法があるなら聞いておきたいとロバートは首をかしげた。
「いや、聞き方が悪かった、……そうだな、最初から戦闘スキルと生産職人のスキルを両方習得したのではなく、どちらかを先に習得して冒険者として経験積んでから他の技能を学ぶと思っていたのだが、俺の居たところはそうだった、例を出すなら戦闘スキル職…剣士でレベル上げて生産職は鍛冶師取ろうとした場合、剣士の訓練所は知ってても鍛冶師の訓練所は別の場所になるでしょ、以前居たところでは『スキル入れ替え』と言う儀式を要して手続きが厄介だった」
そう訊くと冒険者で経験積んで副職持てると認定されれば『入れ替え』ではなく追加する形で習得する、職に必要な習得したいスキルは協会の窓口で相談して、初期スキルなら__植物素材採取となど__資料室で対象物の名と外見特徴記した巻物スクロール購入して読むことでフィールドで生えている場所が光って見えるらしい、鉱物資源も鉱石のある場所すぐわかる仕様だと、異世界魔法ぱねぇ。
まぁ、ひとつの巻物でひとつの素種類材しか対応しないので複数購入するにはそれだけ元手は掛かるらしいが。
ただ、採取や採掘は巻物で習得しやすいが、解体とか鍛冶や調理は巻物ではなく、協会の施設とかで講習料払って基本を学び、習得したかどうかは課題を制限時間内に指定の量と質を満たしたときに認定をもらってランクなになにと名乗る事が許されるうんぬん……。
「つまりレベルが満たされば施設で講習受けるのはいつでもOKと言うこと? 」
「ホーリーライト国の王都アウレアなら常時教官居るらしいですが、ウッドワース国のグリンワルドだと武器修練はほぼ毎日あるとして、生産職人新規は『週に二回』とか『月に三回』とか少ないみたいですよ? 」
「えっ、 マジ ? 」
「『月に数回』と言うのは
それに教官は付きっ切りではなく
調理師はアイリスが詳しいんじゃないかな? 」
「ふんふ~ん♪ 魚料理ならランク3認定もらったから自信あるにゃっ! 」
「ランク3と言うとすごさとかはどんな具合なんだ? 」
「えっとね、下拵えを済ませてあれば1時間で90人分作れるにゃ、同じ料理ならだけどにゃ」
それは食堂とかでランチタイムの「本日のオススメ料理」とかで考えるとすごいな。
「だけど肉料理はまだランク1だからもっと修業時間必要なのにゃ……」
あーっ、たぶん材料関係で仕入れ(狩り)の経験値とか足りないとかかな。
「肉料理の場合、ランク1とか2の材料などは自分で狩る獣が問題とか?」
「素材ランク1は地リスとか山ネズミをワナで捕まえられるけど、ランク2のクロウラーはワナ使えないし外見が苦手にゃ」
「キノコ森の山くらげはどうなんだ? あれも確か料理素材だと思うがランク的にはどれくらいの難度かな」
「山くらげは素材ランク3だけど『山菜料理』として扱われてるにょ『肉料理』とは認められてないにゃ」
「そっかぁ……歩き回るけど植物モンスターだから『肉料理』にはならないか」
というか意外と素材ランクとして高かったんだな山くらげ、道理でなんどやっても料理できなかったわけだ。
「あれ? アイリスは月影湖で岩蟹を炙って調理してたけど、あれは『肉料理』ではなく『魚料理』のカテゴリーなのか? 」
「そうだにゃ、
昆虫食は地球の人口がこのまま増大したら牛や豚に代わる食材になる、といった雑学を大学での友人とした記憶があるが……人間よりでかい虫がごく当たり前に
ここで自分のキャラが生産スキルを持っていなかった理由を少しだけ述べておく
ゲームではキャラスロット拡張購入で1アカウントで3つまでアバターを持つこと出来る、もっとも別アカウントでサブキャラを作るプレイヤーが多かった。それと言うのも1つのアカウントでアバター複数持つメリットは共通倉庫を使えるというだけでアイテムの移動には便利そうで実は意味が無い。
ただでさえ生産職を持つと倉庫は加工用素材を置いておくだけですぐに満杯となる
そこに来てひとつの料理に複数の素材を必要とする仕様だとどうなるか?
1つのアカウントでサブキャラ作るより「サブは別アカウント」で作って複数パソコンで課題アイテム自動作成する、というある意味ネトゲしている意味あるのかと言う根源的な問題が生じる。
採取もポイントにキャラ置いて枯れるまで自動採取、キッチンタイマーで時間が来たらキャラ移動して次の採取ポイントへ、持てる限界の重量になれば街までワープして倉庫に貯めて、倉庫満杯になれば寝る前に生産施設にサブおいてギルドチャットでギルメンにお休みの挨拶してログアウト。
純粋生産職のみ、というプレイヤーがどれだけ居残るか想像できるだろう
『モンスターとの戦闘よりアイテム作成が楽しい』と言う人は居ないではない、女性プレイヤーはその傾向が男性プレイヤーより顕著だ。基礎レベルより20レベル上まで生産スキルを伸ばせるのは運営が生産職に考慮したためであろう。
初期のうちは採取に行く生産職の護衛に戦士や魔法使いが護衛に付く形でゲームも上手く動いていたが、そのうち自動採取で放置とかするプレイヤーが出る事でプレイヤー間で感情がギクシャクする事があちこちで聞かれるようになる。
初期にもてる素材が少ないうちは20分採取すればカバン満タンだったのが、レベル上がると満タンに2-3時間となるとどうしてもいすの前に座って見続けるだけとなるのは退屈となる。
暇なプレイヤーがギルチャで雑談おしゃべりするのは賛否があったが、振り返れば平和でよい時期だったのだ。
ギルドに入らず自由に狩りをするプレイヤーとシロ茶(オープンチャット、ログに白文字で表示)で雑談したり野良PT組んでフィールドボス狩るのもオープン初期で、吹き出しバルーンが画面のあちこちで見られたのも今となっては懐かしい。
リアル世界で言うならばシロ茶は肉声での会話で、ギルドチャットやPTチャットは携帯やスマホでメールのやり取りみたいなもの。ゲームに慣れれば気にしないで良くなるが、絵づらで言えば街で人が多く居てもみな無言で座っていたりたむろしているような感じ。
この世界に来て住民と面と向かって会話する事が当たり前となると、ゲームで「他人が何を話しているのか、そこに中身の人が居るのかわからない」と言う状況は『冒険とは何かが違う』と思えるのであった。
話を戻して
調理には「煮る」「茹でる」「焼く」「炒める」「炙る」「蒸す」「揚げる」「漬ける」等等…
極めるとしたらそれこそ何十年もの修行を要するらしい、……まっ、そこまでやりぬく気は無いが。
アバターの
調理師の先輩であるアイリスに冒険者協会での受付窓口と諸手続きのアドバイスを聞き、ひとまず生産職用窓口に行く事からで、それから先は職員に聞けばよいだろうとのこと。
場所はこの
「生産スキルの習得方法はだいたい判ったからのんびり身につけていく事にするわ、協会から指名依頼なかったらだけどね。予定としては今のところこんなものだけど、これで解散する? 」
「あっ、街に帰ったらベルさんの
憶えていたか、こちらはすっかり忘れていた。
タブレットでインベントリーの
「この街で使い魔用の食料エサ売っている場所はどこかな? 」
エリアマップを呼び出して見ながら移動すれば一人でも行けると思うが、せっかくだから案内してもらう事にする。
「舗装された道を通るならこの協会支部の建物から沼の南側をぐるっと回って行ったところに有るけど、近道の
分配した報酬の銀貨を入れた巾着袋を懐に仕舞い、アイリスは
騎乗動物は使わないのか、という疑問は近道とされる木道ボードウォーク見れば雲散霧消する。
人がすれ違える程度の幅に板や丸太が沼の上に差し渡されており、乗り物に乗った状態で進むのは自分も対向者にも危険である。
「この沼でも食べられる魚はけっこう居るにゃ、網で取ることは禁止されてるけど釣りする人はあちこちでやってるにょっ」
指差す方向を見て見ると木道はあちこちで枝分かれして桟橋みたいに沼面に張り出した箇所がいくつかあり、そこで釣り糸をたらしている人がちらはらと居た。
冒険者協会の建物から出て幾つかの小島を通過し、東エリアの片隅にペットショップが古木に囲まれて建っていた。
「いらっしゃい、何か入用ですか?」
ペットショップの店主は茶トラと雉トラの混ざったいわゆる『
ゲームではNPC猫人キャラ画像は使いまわしの白猫・黒猫・シャム・
店内の棚には袋入りドライフードと業務用サイズの缶詰がずらりと並べてあり、レジ近くのラックやシェルフには
ゲームでは単にアイコンで表示されていて数量指定で購入するだけだったが、こうして目の前に所狭しと飾られているのを見ると、現実世界でDIYセンターでペットコーナーを見て回った記憶が蘇りワクワクしてくる、だが今回はアイリスたちに自分の持つペットつかいまを見せるためエサを購入するのが目的。
ペットと戯れたりする道具をヲチするのは次回の楽しみ、ということで。
「ペットの空腹回復のアイテムはどんなのがあります? 回復度と価格も教えていただけないですか?」
「ドライタイプだとこちらになりますね、一袋4.5ポンド(約2kg)入りで
DIYで売られている猫用お徳用大袋サイズのドライフードを棚から取り出してカウンターへ置く
1/20回復と言う事は一袋で5%、ゲームと同じだな、価格はこの世界通貨と言うことで単純比較は出来ない。
「このミールタイプは一缶1ポンド(約430g)入りで1/10回復、値段は銅貨30枚です」
重量はドライフードの1/4か、ゲームだと重量はドライの半分で回復量と価格が倍だったのだがかなり違うな。
「ミールタイプを10個買います、それと『ゴージャスミール』と言うものは有りますか? 」
ゴージャスミールはゲームでの課金アイテムでひとつ与えれば満腹度500となり、特殊効果でペットの各ステータスに大幅補正効果が付与される、一例をあげればHPが五割り増しで攻撃力・防御力が30%増大、その他忠誠心アップなどなど。
もし店頭で手にはいるなら是非とも押さえておきたいシロモノなのだが……
「『ゴージャスミール』ですか、ここではなかなか入手は難しいですね、ホーリーライト王国の王都だとまれに置いてある事も有るらしいですが金貨3枚もすると聞きますし、たぶん特別注文でしかも前払いで予約と言う形となるでしょうね、材料が『ドラゴンの肉』だと言う話ですし」
ドラゴン肉が缶詰として売られていることは予想外、…まぁバフ効果からして並みの材料ではないだろうけどペットフードとして売られているとは、……人間が食う事もあるんだろうな、値段がどれだけするのか予想もつかないが王侯貴族が特別な日に食べるご馳走とかの扱いかな?
と、料理の事で思い出したのだがドラゴンを料理するのはどれだけのスキルレベルが必要なのだろう?
缶詰として商品が出回っているからには料理できる人間が居る、て事だ
ゲームではドラゴンを料理したり食べたりする話は無かったが
「ドラゴン料理とか言うやつもホーリーライト王国で食べること出来るのかな? 値段もすごそうだけど」
「さぁ、そこらへんは知らないですけど、数年に一度くらいは『
「それもそうですね、ではミールタイプ10個で銀貨3枚でよろしいでしょうか? 」
「まいどありっ、またよろしゅうおねがいしますね」
代金を支払った後缶詰をインベントリに仕舞い、店の外に出る。
店の外で待っていたアイリス達に合図してペットショップから少し離れた木立に囲まれた空き地へ移動。
「それでは俺のペットである『武具精霊』を呼び出すね、呼び出してからエサやるのでちょっと離れてて」
ロバート達は四歩ほど離れて俺がペットを呼び出すのを今か今かと好奇心隠さず待っている。
タブレットを操作してインベントリの70枠をサーチし、目標の『武具精霊:村崎』の名前をつけた卵型アイコンをタップする。
自分の前方2mに紫色の魔法円マジックサークルが出現、地面から数枚のリングが円柱状に湧き上がり
首無し騎士甲冑のシルエットが光って現れる
*
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