3-3

### 3(映像②)


「あの女の人、帰っちゃったね」


「そうだね。困った顔をして、いなくなったね」


「ねえ、ミラちゃん――私、この家から出ていかなきゃいけないの?」


「違うよ、エラちゃん――私が連れて行かれるんだよ」


「たぶん、私だよ」


「違うわ、私なんだよ!」


「違うって!」


 騒ぎを聞きつけた母親が様子を見に来ました。


「どうしたの?もう遅いから早く寝なさい。それと――明日は三人でソレルに行きましょうか」


「三人で!?」


「いいの!?」


「ええ、明日は特別な日にしましょう――だからもうおやすみなさい」


 そう言いながら、二人に毛布をかけると、電気を消しました。窓の外には、より暗さをました空の中に青白い月がはっきりと見えました。


「おやすみ、ミラ。明日は貴女がエラよ」


「わかっているよ、エラ。明日は貴女がミラよ。おやすみ」


[Music: 月の繭](https://www.youtube.com/watch?v=p3xMbwn7iq4&list=PLf_zekypDG5qBT4O0u7pO6N7__F1FPIYw&index=7)

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