終幕


 若い団員から白い封筒を受け取った団長は、その中身を知るや目を見開いた。

「先ほど、貴族風の身なりのご婦人がいらして、応援の気持ちだとおっしゃっていました」

「その婦人もしかして、騎士風の男を連れてなかったか?」

「騎士風ではありませんでしたが、同じ年頃の男性と一緒でしたね」

 団長はやっぱりという顔をすると封筒の中に入っていた、劇の感想と応援の言葉を端的に記した便箋を見ながら言った。

「俺も先代に聞いた話でね、先々代の―― いや、そのまえの話だったかな。話せば長くなるんだが」

 団員が聞きたいです、と言うと、苦笑いしながら話しはじめた。とある国の姫君と、そのお気に入りの騎士の話を。

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ミルドレッド王女のお気に入り 水越ユタカ @nokonoko033

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