第66話正体(2)

 クリスティーナは目を覚ました。部屋の中が明るくなっている様子から、昼近くまで眠ってしまったようだ。


 隣を見れば、アレクシスはまだ寝ていた。血色が戻っている穏やかな顔つきにほっとした。


 寄り添っていた体をおこし、念の為熱を計ろうと、額を寄せた。その時、一瞬呻き声を聞いた気がするが、寝言か何かだろう。


 合わさったところからは熱は感じられない。


 もう大丈夫そうな感じから、起こそうと思ったが、視界にはいる自分の体を見てはたと気づく。




(そういえば裸だったっけ)




 熱を測るとき、アレクシスの胸にくっつけてしまった上半身を離し、起き上がる。


 アレクシスを起こすのは、服を着てからだ。


 クリスティーナは吊るしてあった服に近付いた。




「良かった。これなら着れそう」




 まだ幾分湿っていたが、着るぶんには耐えられそうだった。着ているうちに乾くだろう。


 クリスティーナはまず晒しをとり、ぐるぐると巻いていく。


 その間にアレクシスが起き上がったことなど、クリスティーナにはわかるはずもない。


 後ろから自分を見つめている目があることなど気付かず、クリスティーナは着替え終わるその最後まで、無防備な体をアレクシスの前にさらし続けたのだった。

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